広島・黒田と新井の表情に見た優勝への執念

4回、安部への死球に両手を挙げながらマウンドへ詰め寄る広島・黒田(左)と新井=10日・東京ドーム
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 この2人が優勝へ導いた-。そう思わせるシーンだった。

 広島が25年ぶりのリーグ優勝を果たした。優勝決定試合となった10日の巨人戦(東京ドーム)。四回に鈴木、松山の連続弾で一気に逆転に成功。マウンド上のマイコラスは明らかにイライラしていた。その直後、安部への初球が死球になる。

 するとベンチ前でキャッチボールをしていた黒田が両手を挙げながらマウンドへ詰め寄った。ベンチ奥から新井も飛び出して加わる。慌てて周囲のナインが制止するが収まらない。ベテランたちが激高する姿を若手選手がぼう然と見つめる姿が印象的だった。

 その様子を撮影しながら、2人の強い思いを感じた。勝利への執念。優勝への執念。チームの誰よりもその思いを抱いている。そう感じさせる光景だった。

 「カープで優勝したい」。その思いだけで広島へ戻ってきた2人。それはついにかなう。号泣しながら右腕が5度宙を舞い、満面の笑みで4番が5度宙を舞った。これまで数多くの胴上げにシャッターを切ったが、これほど印象深い胴上げはなかった。

 おめでとう黒田。おめでとう新井。おめでとう広島。(写真と文=デイリースポーツ・出月俊成)

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