「広島４－３阪神」（２６日、マツダスタジアム）

　真っすぐに伸びる白球が、左翼席後方のコンコースに飛び込んだ。手に残る心地良い感触を味わいながら、広島・新井はダイヤモンドをゆっくり回る。「うまく反応できた」。二回１死。難敵・岩貞を一振りで攻略する５号ソロを放った。

　若鯉が日替わりでヒーローとなりチームは破竹の９連勝。勝ち星が自信となり、日ごとにたくましさを増す姿に誇らしさを覚える。それが３９歳の体を押し動かす大きな原動力になっている。

　ビハインドの展開でも、勝利を目指す姿勢がチーム全体を覆い尽くす。ムードは最高潮だ。「最後まで何が起こるかわからない。どんな展開でも、みんなが諦めていない」。ナインの心は一つ。強い結束力で、頂まで突っ走る。