「阪神－広島」（２０日、甲子園球場）

　頸部（けいぶ）神経根症と右肩痛でリハビリを続けてきた広島・黒田博樹投手（４１）が、中１２日で臨んだ復帰登板で６回７安打１失点。１球に泣き、リードを許して降板した。

　初回、力みからか球が上ずり、先頭板山に左前打を許した。だが、上本をカットボールで右飛に打ち取ると、鳥谷はスプリットで中飛に。最後は福留も同球で二ゴロに抑えた。二回は２死から高山の打球が、ワンバウンドで黒田の右スネ付近を強打。一塁けん制球が、ワンバウンドするほどダメージはあったが、続く売り出し中の原口は内角のツーシームで二ゴロに斬った。

だが、四回。先頭の福留に左翼線二塁打を浴びると、２死から高山の一塁内野安打で先制点を許した。一塁左の強烈な打球を新井が好捕したが、黒田のベースカバーが遅れ痛恨の失点。マウンドに戻りながら悔しそうに、黒田はグラブを叩いた。中前に抜けそうな打球を菊池が２度、好捕。バックも戦列復帰した右腕をもり立てた。

　黒田は７日のＤｅＮＡ戦（マツダ）で、４回６安打３失点で降板。慢性的な首痛、肩痛が悪化したことで、チームトレーナーのストップが掛かった。「他の投手との兼ね合いもあるけど、僕としては１日も早くマウンドに上がりたい」と注射や針、電気治療など懸命のリハビリに努めた。

　この登板前まで阪神戦は、日本に戻ってから８戦５勝。無敗のキラーを誇る。通算２３勝はセ５球団の対戦で、最も多い勝利数だった。数字通りに粘りの投球を続けたが、復帰戦は無援にもなき、１点のリードを許したまま降板となった。