鈴木4打点、大当たり4戦12打点

 「広島9-4中日」(29日、マツダスタジアム)

 好調打線の勢いが止まらん!!広島が2-2の五回、5連打4得点で難敵若松を攻略した。殊勲は同点打&ダメ押し打と、計4打点の鈴木誠也外野手(21)。最近4試合で3本塁打、12打点と確変モードだ。9度目の逆転勝利で今季勝ちのなかった金曜日に白星を付け、3、4月の勝ち越しも決定。30日は黒田博樹投手(41)が先発。一気に連勝を決める。

 打球の到達地点を確認すると、両拳を握って叫びながら走った。「行け、行けーッ!!」。結果的には大勝となった一戦で、欠かせなかった同点打&ダメ押し打。鈴木が決めた。勝利を導き、勢いを呼んだ2安打4打点。21歳がこの夜の殊勲だ。

 四回だ。1死から3連続四球で満塁。各打者がフルカウントまで粘って、後ろにつなぐと6番に打順が巡った。2-2から5球目。チェンジアップに泳がされながら、しぶとく食らい付いて中前に運んだ。一気に2者生還。同点に追い付いた。

 「前回やられていたので。チャンスだったし、追い込まれていましたけど、食らい付いていきました」

 若松とは12日の対戦(呉)では4打数無安打。この日、1打席目も捕邪飛に倒れた。2打席目もカウント2-2の窮地。ここで鈴木は変化を厭(いと)わなかった。これまで上げていた左足を、すり足気味にして対応。「何とかしようという気持ちが、ああいう形になった」と、無我夢中で生まれた一打だ。

 さらに五回。菊池、丸らの連打で2点を勝ち越すと、なおも1死一、三塁で打席に立った。「決めていた」と代わった又吉の初球、迷わず振り抜いた打球は右中間を破った。一走のエルドレッドも生還して、5連打でリードは一挙4点に拡大。勝利を手繰り寄せた。

 キャンプ中に右太もも裏の筋挫傷で離脱。右翼の定位置をほぼ手中に収めた中で、開幕1軍入りを逃した。負傷後に微弱電流を流して、疲労回復を図る医療器具を自費で購入。悔しさが、プロとしての自覚をさらに強めた。「いままでにない感覚」という26日・ヤクルト戦(神宮)の満塁弾をきっかけに、ここ4試合で12打点の大活躍。長打率は驚異の・564を誇る。

 好調の要因は「自分でもわからない」と笑う。だが、必死になって白球を追う日々が、着実に成長につながっている。「チームが勝ったのが一番です。シーズンは長いので、1つずつ勝てるように頑張っていきたい」と鈴木。もっと高く、もっと遠くへ。無限の可能性を秘めた21歳が、チームに勢いを呼び込む。

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