松田オーナー独占インタビュー絶対優勝

 広島の松田元オーナー(64)が30日、デイリースポーツ単独インタビューに応じ、25年ぶりVをファンに誓った。さらに3年ぶりにBクラスに低迷した今季の反省、来季リーグ優勝を狙う手応えを語った。カープの総帥が考えるキーマン、描く理想のチームとは…。いでよ和製大砲-。カープ愛に満ちた言葉を、たっぷりとお届けする。

  ◇  ◇

 -優勝を目指した今季は、3年ぶりBクラスの4位。悔しいシーズンになった。

 「われわれとしては今年こそ優勝を、という思いが強かっただけに、4位という成績は非常に悲しかった。それも最後の最後に4位が決まった状況。いかに自分たちが弱いか、いろんな部分で弱いかが、痛切に感じられた年だったように思う」

 -主催試合の観客動員は球団史上最高211万266人を記録。

 「たくさんのお客さんに来ていただきながら、それだけの人を失望させてしまい、情けない思いがある」

 -さまざまな要素がある中、優勝をする上で足りなかった部分とは。

 「それは、やはり見ても分かるように、打てないことだろう。まず、バットに当てるということができてない。右方向に打つとか、進塁打を決めるなど。今年に関して言えば、そういうチームバッティングが、ほとんど出ていなかった。ストライク球に手が出ない。そういう状況をなんとか、打破しないといけない」

 (続けて)

 「だが、正しい方向に行っているなと思うのは、秋のキャンプであれだけ一生懸命、バットを振っていたこと。さまざまなシチュエーションを考えながら、ゲーム形式でやってきている。ああいった練習は、必ずどこかで成果が出てくる可能性があるように思う」

 -チーム編成をしていく上で「短期的な視点と、中長期的な視点に分けて考えている」と言われる。中長期的なもので言えば、若手長距離打者の育成だ。

 「それはわれわれがついつい、怠ってきたものでもある。過去、日本人の4番打者というのは、ある意味ではつくられた4番打者でもある。言葉は悪いが、辛抱してつくってきた4番打者と言える。それを今、怠っているというのはある。もしくは、それにふさわしい打者を獲得していないのかもしれない」

 -可能性のある選手を2軍で、辛抱して4番に固定していく。

 「例えば昔、栗原(現楽天)が2軍にいる時に、1軍の4番が新井だった。栗原にはチーム状況も考えながら、打点を稼ぐ4番になりなさいと。そういう4番に仕立てあげようとして、みんなが一生懸命だった。カープにはその土壌がある。それが今、2軍で誰が打つのだろう…というと、明確ではない。どんぐりの背比べ状態になっている。エリートではないが、誰かを育成しないといけないと考えている」

 -今ドラフトでも、球団方針が明確に反映された。

 「青木(陸外野手、ドラフト7位=山形中央高)の獲り方というのは、過去の経験を踏まえてやってみようということ。彼を4番に置いて育てていくというのも、考えるべきではないかと。そういった意味の獲得だった」

 -1位の岡田(明丈投手=大商大)、2位の横山(弘樹投手=NTT東日本)は来年、15勝を埋めるピースになってほしい。

 「われわれの中では結構、実戦的な選手が獲得できたのではないかと考えている。どのポジションで、何勝してくれるかは分からないが、即戦力として活躍してくれるのではないだろうか」

 -「短期的なもの」で言えば、外国人選手の補強になる。

 「やはり、そうなるだろう。そのために野手は3人をそろえた。エルドレッドの残留に、ルナとプライディの獲得。これについてはヨシとして、考えないといけないと思う」

 -外国人選手は4月以降も含めて、入れ替えも検討している。

 「抑え投手候補のジャクソンを獲得して一応、形がついた。あとはそれぞれの外国人選手が、2月にキャンプに来てみてどうか。その後、また他の選手の獲得を…ということは考え得ることだ。シーズンの途中までは、理想の支配下登録選手68人で走りたい。そうでないと、何かいい話があった時に、とっさに動けなくなる」

 -外国人選手も例年以上に、シビアな目で見極めていく。

 「そうなるだろう。今は15勝エースのピースが欠けている状態。そこを、どうやって補っていくのか。当然、新人を含めて全体で埋めていかないといけない。全体とは何か。そのためには抑えやセットアッパーを、充実させていかないといけない。1人、いい選手を獲得するというのも当然、考えていくだろう。だが、それが難しい場合には、全体の厚みを増やすことで、トータルが充実していくと考えている」

 -エース前田について、ポスティングシステムを利用しての大リーグ挑戦を容認した。

 「以前から本人が行きたいと、言い続けてきたのも理解している。昨年、早い段階で(認めないと)彼の望みをシャットアウトした。この1年間、エースらしい振る舞いと、エースらしい活躍をしてくれたら、みんなの理解も高まるのではないかと考えていた。彼はこの1年間、素晴らしい振る舞いと、成績を残した。だから、いいんじゃないかと」

 -戦力を考える上では痛いが、逆にチームの活性化につながるという考え方もできる。

 「うまくハマってくれればと思う。黒田がメジャー移籍した時に、前田が頭角を現してきたように。ただ、そのポジションに、ポッと出てくる選手はなかなかいないだろう。だからこそセットアッパーの位置で、誰か出てきてくれたらと思っている」

 -来季のカギを握るポジションになる。

 「一岡あたりが、やってくれたら。今年、抑えを務めた中崎が、どの位置にくるか分からないが。中崎とジャクソンの前にセットアッパーとして、一岡が戻ってきてくれたら大きい。後ろの2イニングを3人で回せるようになれば、いい形ができるのではないか。これに今村や、場合によっては岡田が後ろに回れば、岡田も含めた5人。われわれとしては、一岡の復活が結構なキーになると考えている。ただ、厳しいようだが、今の状態ではダメだ。春のキャンプでどれくらいの状態か。今年良くなかった分、何か変わらないといけないだろう」

 -一方で、黒田が現役続行を決めた。

 「これは大きい。すごく助かった。ウチには将来、エースになるような存在がいるわけだから。今から入団する選手も含めて。彼らが見る黒田、彼らと練習する黒田。特に大瀬良とキャッチボールしてほしい。大瀬良がそういう気持ちを持って、向かって行くべきだろう。江夏さん、大野。黒田、大竹。キャッチボールをすることによって、必ず若い選手が伸びてきている。そういう姿を見せてほしいと思う」

 -今後、育成部門の強化については。

 「現時点で、選手を増やすことはない。ドミニカのカープアカデミーから、バティスタと、メヒアという内野手が2人、秋季キャンプにも参加した。あの2人が春のキャンプでどうか。体も大きいし、おもしろそうだ。もうそろそろ(カープアカデミーから)自前の野手選手が出てきても、いいのではないかと思っている」

 -最後に、来シーズンの目標は。

 「これは当然、優勝しかない。優勝するためにどうすればいいか、常に考えながらチーム編成を行っている。現在、中心になって動いているのが外国人選手の部門。いつもインパクトを与える、誰が見てもすごいな…という選手を獲得する努力を続けている。プライディはある程度やるだろう。あとは投手2人がどの程度、安定した力を出してくれるのか。常にルイスやジョンソンといった、インパクトを与える選手を獲りたいと考えている」

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