新井 小窪新選手会長への全面支援約束

 広島の新井貴浩内野手(38)が29日、新選手会長就任が決まった小窪哲也内野手(30)の全面支援を約束した。広島市内のグリーンアリーナで開催された「広島ガス 実感!くらしを変えるチカラ。2015ガス展」に参加。選手会長、日本プロ野球選手会会長を歴任した経験をもとに新選手会長に助言しつつ、来季は若手を後方から支える存在として勝利に貢献する。

 アリーナは拍手と歓声で、しばらく興奮状態が続いた。主役の登場に会場の熱気は最高潮。8年ぶりの古巣復帰で、戦い抜いた1年。オフに入っても新井の人気は絶大だった。「今年はたくさんの感動をいただいた1年。来年はいただいた感動を、皆さんにお返ししたい。必死に優勝を目指して頑張りたい」。ファンの前に立ち、期待に、声援に、また強く決意を新たにした。

 2000安打まで残り29本。偉業達成は目前だが、個人記録に興味を示さない。胸にあるのは1つ、一丸での25年ぶりの優勝だ。その目標に向け、新たに小窪が選手会長に就任することが決定。新井は「まじめで責任感がある。彼が適任」と後押しし、全面サポートを約束した。

 自身も07年に広島で選手会長を務め、08年12月から4年間は日本プロ野球選手会会長職に就いた。「地位が人を育てる。そういう経験をしながら、成長していく」。湯布院のリハビリキャンプ中には、体験談を踏まえて小窪に力説した。時に必要なのは、愛のある厳しさだという。

 「大変だと思うけど、間違っている時には、心を鬼にして言わないといけない。そうしなければチームは成り立たないから。ただ、自分1人で抱え込むのではなく、全力でサポートすると言った」

 来年は39歳、プロ18年目シーズンとなる。年齢、実績ともリーダーにふさわしいが「それじゃダメだ」と強調する。「キク(菊池)や丸、広輔(田中)、会沢。若い選手が頑張って引っ張ってほしいね」。後方支援はいとわない。誰よりもチームを思うからこそ、熱いゲキで若手の成長を求めた。

 「今もトレーニング中心。毎日、どこかが筋肉痛。夏場以降、思うように体が動いてくれなかったのでね」

 今オフは筋トレと振り込みで、例年以上の練習量。当然、精神的だけでなく、戦力としてもキャリアハイを目指す。「気配りしないといけない分、大変なことが増えると思う。でも、自分がサポートできることは、なんでもする」と新井。一丸で戦おう-。復帰2年目の来季へ、心と体は早くも熱く燃えている。

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