田中広輔、来季背番号「2」名手継承だ

 広島・田中広輔内野手(26)の来季の背番号が「63」から「2」に変更されることが26日、決まった。今季限りで現役を引退した東出輝裕打撃コーチ(35)が16年間付けてきた番号を引き継ぐ。今季は遊撃のレギュラーとして141試合に出場した若鯉が、主力選手としての自覚をさらに強くし、来季も勝利に貢献する。

 カープを代表する名選手が背負ってきた番号を身に付ける。田中は表情を引き締めた。「歴史のある番号。それに恥じないように、それに見合った結果を残せるように頑張っていきたい」。球団からの大きな期待を、背中いっぱいに感じながら力強く決意表明した。

 78年から80年代は高橋慶彦氏(現オリックス打撃コーチ)が背負い、その後はロペス、ディアスと続いた背番号「2」。2000年からは今季限りで現役を引退した東出が16年間、守り続けた。広島を支え続けてきたスター選手の番号。秋季キャンプで打診された際、田中に迷いはなかった。

 ルーキーイヤーの昨季は110試合に出場。今季は遊撃のレギュラーを勝ち取り、菊池、丸に次ぐ141試合に出場した。打率は・274をマーク。規定打席に到達した打者では、チームトップの新井の・275に次ぐ成績だ。2年前にドラフト3位で指名されて仮契約を結んだ時、その年まで丸が付けていた「63」を渡された。「この番号が出世番号だと言われた。それを途切れさせないようにと思ってやってきた」。あれから2年。その言葉を実践してみせた。

 秋季キャンプでは走攻守、すべてのレベルアップを図った。主力組が参加した「湯布院リハビリキャンプ」には選ばれず、日南で練習に没頭。「特別、変わったことをした訳じゃない」と言いながら最大で10時間、ハードなメニューをこなした。両リーグワーストの22失策で最重要課題だった守備では、基本練習を徹底。汚名返上へ一から鍛え直した。

 「大事なところで1本が打てる活躍をしたい。『2』は田中と言ってもらえるようになりたい」と前を見据えた。今シーズン、緒方監督から「中心選手としてチームを引っ張っていく存在になってほしい」と言われ続けてきた田中。新たな番号を背に、スター街道を歩き出す。

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