「広島紅白戦、紅組１－１白組」（１６日、天福球場）

　広島・中村祐太投手（２０）が宮崎・日南秋季キャンプの紅白戦に登板し、２回２安打無失点と力投した。今季はケガでシーズンの大半を棒に振った期待の右腕が、来季の反攻へ着々と歩みを進めている。

　悪戦苦闘しながらスコアボードにゼロを並べた。２回２安打２四球の無失点。中村祐は「今回は全くダメ。しっかりやり直さないといけない」と、厳しく自己採点した。

　三回は１死一塁から安部を遊ゴロ併殺に仕留めたが「逆球で偶然差し込めただけ」。四回は２四球で２死一、二塁とし、天谷に中前打を浴びたが、下水流の好返球で二走・松山が本塁憤死と、納得できる内容ではなかった。

　関東第一から１３年度ドラフト５位で入団。球速は１４０キロ前後ながら、伸びのある直球で空振りを奪えるのが特徴。昨年の秋季キャンプでは、緒方監督や佐々岡２軍投手コーチに高評価され、今春キャンプの１軍メンバーに近づいたが、程なく右足かかとを疲労骨折。今季はウエスタン２試合登板にとどまった。

　３年目の来季に向け「やっとマイナスからゼロになった。ここからが勝負」と前を向いた。得意のカーブに加え、新たにスライダーとスプリットを習得中。ケガを乗り越えた右腕が、今度こそ突っ走る。