カープ堂林 神主打法で生まれ変わる

 「広島秋季キャンプ」(1日、日南)

 広島の秋季キャンプが1日、宮崎県日南市の天福球場で始まった。打力アップがチームの今秋最大のテーマの中、堂林翔太内野手(24)が打撃フォームの大幅な改造に着手した。ロッテ、中日などでプレーし歴代12位の通算2371安打を放った落合博満をイメージした新フォーム。来季の飛躍へ向けて、新たな挑戦が始まった。

 誰の目にも違いがはっきりと分かった。バットの傾け方や足の上げ方…。打撃フォームの全てが、これまで築き上げてきたものではなかった。体の正面にバットを構え、両腕を伸ばすスタイルでフルスイング。堂林が来季の飛躍を目指して一大決心。「神主打法」の習得に着手した。

 「これまでは打ちにいったときに(背番号が投手から見えるくらい体をひねり)手が隠れてバットが出にくい癖があった。少しでもスムーズにバットが出せるように(新フォームに)取り組もうと思った。イメージするのは落合さん」。プロ野球歴代12位の2371安打を放った天才バットマン・落合博満。思い描く理想像を、はっきりと口にした。

 毎年のようにフォームを微調整してきたが、納得のいく結果が出なかった。今季は33試合の出場にとどまり、打率・261で3打点。本塁打はゼロだった。10月末のマツダスタジアムでの秋季練習。石井打撃コーチに声をかけられ新フォーム習得を決意した。来季は7年目。強い危機感があった。

 神主打法習得のカギは脱力だ。強く振ることを意識し過ぎる余り、スイング前にも力が入っていた。石井コーチは「もっと立った状態で懐を大きくしてタイミングをとる。バットの重さで遠くに飛ばすコツを覚えないと。脱力した感じで打てるか、不安があると思うけど根気よくやってほしい」と説明した。バットの重さも従来の880グラムから930グラムに増やし、長さも0・5インチ長い34・5インチに変えた。全てが新しい挑戦だ。

 心を決めてから、無料動画サイト「You Tube(ユーチューブ)」にある落合の動画を見るなどしてイメージを膨らませてきた。秋季キャンプ初日のフリー打撃では柵越えを放つなど、好感触はある。

 「全然、こういう打ち方をしたことがない。でもバットが大きく振れている。出しやすい感じもある。これからはバットのしなりを使って打てるようになりたい。信じてやります」。腹はくくった。これまでの自分を捨て、新たな道を歩み始めた。

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