黒田、復帰後初完封視界に入るも…

 「阪神0-3広島」(11日、甲子園)

 広島・黒田博樹投手が阪神を相手に8回2安打無失点。一度も三塁を踏ませない投球で、9勝目をマークした。チームは引き分けを挟んで3連勝。首位ヤクルトとは4ゲーム差、2位阪神とは3・5差、3位巨人とは2差に縮めた。

 圧巻の投球だった。直球、スライダー、カットボールなどをコーナーに集めて凡打の山を築く。先頭の福留に左翼線突破の二塁打を浴びた0-0二回は、ゴメス、今成、伊藤隼を撃ち取り無失点。三回2死で鳥谷に中前打を浴びた後は、八回まで無安打に抑えた。

 八回を投げ終えて104球。日本球界復帰後初となる完封も視界に入ったが、首脳陣は次回登板へ向けて疲労を残さないことを最優先。この回でマウンドを降りた。緒方監督は右腕の力投に最敬礼。「よく投げてくれた。気持ちが入っていた」とたたえた。

 試合後、黒田の口はなめらかだった。バスへと向かう通路で、報道陣が3人しかいないのを見ると「ちょっと少ない。さみしいな」とチクリ。試合については「ある程度、狙ったところに投げられたし、石原がよくリードしてくれた。チームが勝つのが一番」と笑顔で振り返った。

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