丸、男気弾も「本当に悔しい、悔しい」
「巨人2-1広島」(30日、東京ド)
力強い軌道だ。快音を残した白球が、弾丸ライナーでバックスクリーン左のカメラマン席に突き刺さった。G党の驚きと鯉党の歓喜の声が交差する。広島・丸は手応えを感じながら足早にダイヤモンドを一周した。
0-0の八回2死。高木勇の134キロを振り抜いた。「すんなりと打ち返そうと思っていた。シュートだと思うんだけど、いい形でスイングすることができた」。均衡を破る4試合ぶりの11号ソロだった。
開幕からの不調を脱しつつある。6月10日の西武戦(西武プリンスドーム)で1番に起用されて以降、これで12試合連続安打をマーク。「打つべき球を打ち損じることが少なくなってきた。思い通りのスイングが少しずつできている」。失投を一振りで仕留める打撃が、ようやくでき始めてきた。
九回に完封目前の黒田が2失点しサヨナラ負け。バスへと向かう通路で「本当に悔しい、悔しい」と連呼した。高木勇を完全攻略できず、黒田への援護点は自身のソロのみ。「もっと点を取って、楽に投げさせてあげることができていれば…」。野手のリーダーとして、責任を痛いほど感じていた。
1日はドラフト2位の薮田(亜大)がプロ初登板初先発する。攻守でルーキーをもり立て、チームに勢いをもたらす。