鯉ドラ6飯田 お見事0封デビュー発進
「広島8-12ヤクルト」(23日、マツダ)
大量ビハインドの一戦でも、ルーキーは必死に腕を振った。開幕から44試合目で巡ったマウンド。ドラフト6位で広島に入団した飯田哲也投手(24)=JR東日本=が、1回を1安打無失点に抑えた。緊張のデビュー戦で確かな足跡を残した。
「点差は関係なくやってきたことを、しっかり出していこうと思いました」。出番は5-12の七回。劣勢の展開とはいえ、相手主軸との対戦を迎えた。先頭の川端を外のカットボールで二ゴロで斬ると、続く畠山は真ん中高めの同球で三ゴロに封じた。
比屋根に左中間二塁打を浴びたが、最後は雄平をチェンジアップで遊ゴロに抑えた。最速は143キロ。リズムよく攻めの投球に、畝投手コーチも「初登板にしては四球もなかったし、しっかり0点に抑えてくれてよかった」と評価した。
春季キャンプ、オープン戦は1軍に帯同したが「四球から自滅した」と、結果が残せず2軍で開幕を迎えた。ウエスタンでは主に抑えとして、17試合の登板で8セーブを記録。防御率1・08と抜群の成績を残して、念願の1軍切符をつかんだ。
「打者にしっかり向かっていくことを心掛けてきた。やりがいがありますね。これを自信にしていきたいです」と飯田。大観衆からは万雷の拍手が注がれた。敗戦の中に見えた一筋の光。明日につながる18球の熱投だった。