梵“打ち直し”2号3ランも悔し…

 「ヤクルト5-4広島」(1日、神宮)

 真っ赤に染まった左翼席からの声援が心に染みた。バスへと向かう途中、広島・梵の背中に「明日、勝とう!」と、励ましの声が飛ぶ。2号3ランを放った。それでも勝利をプレゼントできなかった。それが何より悔しかった。

 「前を向いて切り替えてやるしかない。信じたことをやり続けていく。それしかない」。2連敗で借金は今季最多の8。波に乗れないチームの現状に、もどかしさがにじんだ。

 0-5の四回2死一、二塁。3球目の外角球を捉え右翼ポール際に運んだが惜しくもファウル。それでも集中力は途切れなかった。6球目のフォークを打ち直しで左中間にたたき込んだ。「強くたたけた。抜ければいいと思って走ったけど入って良かった」。鯉党の大声援も白球を後押しした。

 梵が本塁打を放った試合は、昨季から数え5連勝中で、この一発が反撃のノロシになるはずだった。だが4-5と1点差に詰め寄るのがやっと。不敗神話も崩れた。

 ここ5試合は打率・263、2本塁打、7打点。完全復調ではないが、打撃状態は上昇カーブを描く。自身の反撃態勢は徐々に整いつつある。「続けて結果を出していくことが大事」。季節は5月。鯉の季節だ。その背中でチームを再浮上させてみせる。

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