大瀬良「あの1球だけ…」無援完投負け

 「広島0-1DeNA」(28日、マツダ)

 泣くな、大瀬良-。広島の大瀬良大地投手(23)が9回を4安打1失点と好投したが、打線の援護なく3敗目。「あの1球だけでしたね…」と九回に投じた梶谷への1球を悔やみ、敗戦の責任を背負い込んだ。チームは2戦連続の完封負けで、DeNAに5年ぶりの4連敗。借金は今季最多の7に膨らんだ。前半戦のヤマ場となる9連戦は黒星スタートとなった。5面にもカープ記事

 悔しさを押し殺すように、必死に前を向いた。一塁ベンチ裏から階段を駆け上がってきた大瀬良は、開口一番に唯一の失投を悔やんだ。「あの1球だけでしたね…」。9回4安打1失点。魂を込めた100球の熱投も、たった1球に泣いた。

 0-0で迎えた九回。代打・白崎に遊撃内野安打で出塁を許すと、2死二塁で梶谷を迎えた。1ストライクからの2球目、効果的に決まっていたカーブが、この日初めて高めに浮いた。その失投を痛打され、失点。踏ん張ってきた右腕が思わず天を仰いだ。

 「ちょっと抜けてしまいましたね。低めのボールを見せ球に、腕を振ることを意識して投げた。高さが甘くなってしまった」

 序盤から気持ちの入った投球は見せた。初回、先頭の石川に左前打を許して以降、七回1死まで走者を許さなかった。打者32人中24人には初球をストライクから入り、四回の梶谷には3球で空振り三振を奪うなど強気な投球を演じた。

 同じ過ちを繰り返したくなかった。前回21日の巨人戦(上毛敷島)では打者を過剰に意識してしまい、5回6安打5失点。それから1週間は原点に返って直球を磨いた。ランニング量を増やすなど徹底的に下半身を強化。「ストレートが僕の軸。しっかり腕を振って球の強さで勝負できた」と納得できる投球の内容だった。

 ただ7日の巨人戦(マツダ)と同様、勝負どころの九回に失点してしまった。「こういう時に抑えられる投手じゃないと勝っていけない。これで2回目。詰めの甘さ。何かが足りないと、野球の神様に言われている」。言い訳せず、自らを責めた。

 緒方監督は「大地は責められない。今季一番に近い投球だった」とかばった。「また次、頑張ります」と前を向いた大瀬良。1勝が遠い。だが次戦へ確かな軌跡は残した。

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