あぁ大瀬良 気迫140球、完封目前も…
「広島1-2巨人」(7日、マツダ)
泣くな大瀬良、胸を張れ-。広島・大瀬良大地投手(23)が140球の熱投。完封目前の九回に同点とされ、今季初星は逃したが、8回1/3を5安打1失点。チームは延長十一回にミスから決勝点を献上し、泥沼の7連敗。それでも背番号14の右腕が確かな光を感じさせた。
力強く振った右腕で本拠地のマウンドを死守した。連敗は止められなかった。だが、大瀬良がまぶしいくらいの光を放った。
「調子は全く良くなかった。リズムもテンポも悪かった。でも何とか長い回を投げられたと思う」
パワーピッチャーの本領発揮とはいかなかった。最速は147キロ。それでもツーシームやフォークを駆使して試合をつくった。1-0の五回は杉内の中前打から1死二、三塁とされたが坂本と阿部を斬った。
「大瀬良!大瀬良!」の大合唱で上がった完封目前の九回は、亀井の打球を天谷が落球(記録は二塁打)。「打たれた僕が悪い」。1死三塁からの140球目。井端の打球が一、二塁間を破り、完封も勝利も逃げた。それでも大瀬良の粘りをたたえる拍手が場内を包んだ。
初登板した3月31日のDeNA戦(横浜)は味方のミスも絡んで3回7失点(自責2)。連敗地獄の最初の黒星を喫した。自分で止める-。140球の熱投。8回1/3を5安打1失点。リードは守れなかったが、心意気が指先からボールに伝わった。
「周りから、やせたと言われるんです」。その顔が、今季の飛躍を誓う証しだ。昨季は球威増やスタミナアップを目的に体重を増加させた。だが「重い感じだった。今は増やす人が多いけど、僕には合わなかった」。今季を前に、体重90キロから5キロ減らし、大学時代とほぼ同じ85キロにした。「逆に体が動く。九回もきついとは思わなかった」。球数が130球を超えても、疲れは感じなかった。
体調管理にも気を使う。初登板後、舌の裏に口内炎ができた。インターネットで「口内炎 治し方」と検索。蜂蜜が効くと知ると、宿舎で買った。「歯磨きをしたあとに塗ってます」。まだ完治はしていないが、回復の兆しはある。
「次は勝てるような投球をしたい。頑張ります」。前を見据えた大瀬良の言葉は必ず次につながる。





