マエケン試し斬り「隠すところ隠して」

 「オープン戦、広島3-12ヤクルト」(7日、マツダ)

 広島・前田健太投手(26)が7日、ヤクルトとのオープン戦(マツダ)に先発した。開幕戦で対戦するチームを相手に、4回を3安打1失点と上々の内容。普段とは配球を変えるなど、確かな布石を打った。「隠すところは隠して投げました」と、本番をシミュレーションした投球で新たな収穫も手にした。

 何度も口元に右手を当てながら、息を吹きかけていた。最高気温9度。小雨が頬を打つ悪条件の中でも、前田は柔軟に対応した。直球の最速は144キロ。本調子を欠く中で「無理して(スピードを)出しにいくと良くないので」と、変化球主体で勝負した。開幕戦でぶつかるヤクルト相手に、さらに配球面でも変化を加えた。

 「普段なら変化球を投げる時に直球や、直球を投げる時に変化球を投げた。シーズン中にはない配球、ボールを試すことができた」

 ハイライトは四回だった。1死走者なしで打席に畠山。主砲に対して2-2からの6球目、真ん中低めのチェンジアップで中飛に斬った。昨季までは左打者に使っていた球種。まだ、納得いく球ではなかったが「右打者に追い込んでから、どんな反応になるか見たかったので。空振りが取れる球にしたい」と収穫を口にした。

 失点にも意味がある。初回、先頭の山田にいきなりソロ本塁打を浴びた。昨季のシーズン最多安打男に、ファウルで粘られ、1-2からの7球目。外寄りの直球を左越えに運ばれた。「あえて得意な所に投げてみた。あらためて、そういう球は危ないと認識できた」。普段なら直球を選択しない場面。オープン戦だからこそできる配球を試すと、第2打席は新球の縦スラで中飛に斬った。

 「シーズン中ならできないことができた。これも1つの勉強。いい経験になりました」

 既に27日・ヤクルトとの開幕戦登板が内定している。調整登板とはいえ、前哨戦に「正直、全力で抑えるのは嫌だった。隠せる所は隠して、と思って投げた」と心境を明かす。変化球主体、余力を残しての53球。「100%イメージは持たれたくない。ちょっと違ったイメージを持ってくれたら」とニヤリ笑った。

 今後はオリックス、ソフトバンクとの2試合を経て、開幕マウンドに向かう。「イニングも伸びてくると思うので。実戦を意識して、シーズンに入れるように投げたい」と前田。2年連続5度目の大役へ。エースに死角は見当たらない。

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