黒田本気!一発浴びた新井から3球三振

 「広島春季キャンプ」(28日、沖縄)

 広島・黒田博樹投手(40)が28日、今キャンプ初めてシート打撃に登板し、“メジャー仕様”の投球で新井貴浩内野手(38)から3球三振を奪った。新井との2打席目で左越え本塁打を許したことに発奮し、先輩の意地を見せた。打者12人に46球を投げて、安打性は2本のみ。梵から1本、天谷から2本のバットを折るなど、右腕は着実に状態を上げている。

 先輩としての「意地」がある。ぼう然とする新井を尻目に、黒田がマウンドで仁王立ちした。カウント0-2からのツーシーム。外角のボールゾーンから鋭く曲がってきた1球は、外角いっぱいに決まった。見逃しの3球三振。「思ったところに思った通りの見逃しだった。完璧なボール。2打席打たれたら何を言われるか分からない。ピリッとさせないと」と、貫禄たっぷりに振り返った。

 今キャンプ初のシート打撃登板。前日に「バットを折る」と宣戦布告した新井を1打席目は中飛に打ち取るも、2打席目は内寄りツーシームを左越えに運ばれた。スイング直後の体勢のまま、打球の行方を見続けた新井を「打った後のジェスチャーが長すぎる。向こう(メジャー)だったら次は脇腹にいかれている」と報復死球の対象と評し、悔しさをのぞかせた。これで闘志に火が付いた。

 見逃し三振を奪ったツーシームは、メジャーで習得した通称「バックドア」。右打者の外角ボールゾーンからストライクゾーンに入ってくる変化だった。

 受けた石原は「あの角度から曲がるのは少ない。あまり日本でやらない攻め方。捕るのが大変ということは、打つのも大変だと思う」と証言した。新井も「見送って『エッ』と思った。外からビュッと曲がってきた。ベース板を大きく感じた」と、“メジャー仕様”の投球に脱帽した。

 2月25日のフリー打撃登板とは異なり、スプリットを初めて投げるなど調整がさらに進んだ。新井のバットは折れなかったが、梵から1本、天谷からは2本のバットをへし折った。久々に対戦した新井を「しっかり仕上がっている。雰囲気もある。一発もあるし、嫌な相手」とたたえて、充実の汗をぬぐった。

 広島に戻った後、もう一度シート打撃に登板し、オープン戦登板に向かう予定。「次の実戦に向けて調整して、自分なりに徐々に上げていければいい」。マイペースを貫きながらも周囲にインパクトを残して、背番号15がさらなる前進を続けていく。

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