黒田が封じる!セ界の足も怖くない

 「広島春季キャンプ」(26日、沖縄)

 広島の黒田博樹投手(40)が26日、日本式の機動力封じを誓った。守備練習でけん制、サインプレーなどに取り組み、入念に動きを確認した。2003年にシーズン5個のけん制アウトを奪うなど、フィールディングには定評がある。力勝負が主だったメジャー時代とは違い、足技を封じる日本式防御を取り戻す。

 入念に計算されたプレーに、世界で戦ってきた男も驚いた。サブ球場で行われたサインプレー。黒田は特に二塁けん制を重視した。右からの回転や、左からの回転、野手がベースカバーに入るタイミングなどを入念に確認。収穫を口にした。

 「すごく相手ランナーも動きづらいと思う。結構、複雑ですけど、はまればランナーも動きづらいと思う」

 小林投手コーチがサインを出し、セットからけん制に動く。前田、永川らを参考に、続いて黒田がマウンドへ。複雑なプレーに戸惑う場面もあり、グラウンドでサインを確認。「だいぶ頭に入ってきた。動きも大丈夫」と納得の表情を浮かべた。

 「新しいチャレンジ」と話す8年ぶりの復帰。綿密なサインプレーは昔を思い出す作業だ。03年にシーズン5個のけん制アウトを記録。同年7月6日の横浜戦では1点リードの九回、2死二塁のピンチで二塁走者・万永を刺して勝利した。「全然、覚えてないで」と笑うが、勝利に直結した“1球”だった。

 7年間のメジャー生活、特にヤンキース時代は「“打高”というか、打撃重視なので、あまりサインプレーや、バントシフトはなかった」と言う。だが、日本では、楽天・大久保監督の年間200盗塁宣言や、阪神・和田監督が100盗塁を目標に掲げるなど、チームを挙げて機動力を駆使してくる。

 小林コーチは「相手がそこから崩そうとするなら、投球の邪魔にならないようにしておかないといけない」と説明。畝投手コーチも「前よりサインは複雑になっている。そこは心配だな」と、開幕前までに野手も交えてサインプレーの徹底を行う考えだ。

 05年にはゴールデン・グラブ賞にも輝き、もともとフィールディングには定評がある。「やらないといけない。細かいプレーで1つのアウトを取れたら大きい。大事なこと」と黒田。複雑だが、不安はない。日本野球に「アジャスト」して、機動力野球を完全に封じる。

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