大瀬良ワースト8失点「僕の力不足…」
「交流戦、オリックス8‐1広島」(24日、ほっと)
広島のドラフト1位・大瀬良大地投手(22)=九州共立大=が、プロ入り後最短の4回で降板。拙守に足を引っ張られたこともあり、9安打8失点(自責点4)で2敗目、自身の連勝は5で止まった。チームは交流戦で唯一勝ち星がなく単独最下位。今季初の4連敗で、リーグ2位・阪神に1差と迫られた。
負の流れにのみ込まれた。大瀬良でもこの連敗は止められなかった。プロ自己最短4回でワーストタイ9被安打、ワースト8失点を喫した。「完全に力不足です。どこが悪いというレベルではない。相手は積極的に振ってきて、強いスイングだった。僕に力がなくて打たれました」。潔く脱帽した。
初の交流戦で初のデーゲームは、試練のマウンドだった。1‐3の四回、ロサリオ、キラの失策が失点に直結して1‐6。なお2死二塁からT‐岡田に直球を捉えられ右越え2ランを献上。強気を崩さなかった大瀬良も、さすがにうつむいて悔しがった。この回5失点。敗色濃厚となった。
変化球の制球が乱れ、多投した直球やカットボールを痛打された。守りのミスも痛かったが「普段助けてもらっているので、カバーしていかないと。ミスを帳消しにする投球ができなかったのは、僕の力不足です」と、責任を一人で背負った。
チームは4連敗。自身の連勝は5で止まった。ただ、これまでチームの連敗や、首位陥落の危機を救ってきた事実は消えない。野村監督は「連敗中でプレッシャーもある。次に生かしてくれれば」と期待を寄せた。
あるチームスタッフはルーキーについて「あれだけ気持ちいいあいさつができる男は珍しい。勝たせたいと、皆が思うんじゃないか」と話す。この日も一、二回の失点後、ベンチに帰ってナインに励まされるたびに、笑顔で応じて気持ちを奮い立たせた。不運もあった1敗を引きずる男ではないはずだ。
広島新人では82年・津田の7連勝、86年・長冨8連勝以来、3人目となる6連勝は成らなかった。「次は勝ちがつくように、精いっぱいやります」。落ち込んだ様子はない。ただ前を向いて、再スタートを切る。
