木村「びっくり」V打 中堅狙いが左前に

 「広島5‐2DeNA」(4日、マツダ)

 会心の当たりではない。それでもこの男の一打が勝利を手繰り寄せた。一塁塁上で小さく手をたたく。「ラッキー!」。広島勝利の立役者。投手が前田なら打者は木村だ。

 2‐2の四回2死一、二塁。二回に右越え2ランを放った松山が敬遠気味の四球で歩かされ、迎えた打席だ。

 モスコーソの初球。高めに浮いたチェンジアップを捉えた。「センターを意識した」。自身の狙いとは反し、打球は左翼手の前にぽとり。「びっくりするような所に落ちた」。それでも勝ち越しを決める適時打に変わりはない。

 この試合の勝利に誰よりもこだわった。前田が先発した4月20日のDeNA戦(横浜)。「7番・遊撃」でスタメン出場した。しかし攻守に精彩を欠いた。「自分の責任」。チームは敗れ、前田も初黒星を喫した。「取り返す気持ちだった」と闘志を燃やした。

 八回に二塁へのゴロで一塁へヘッドスライディング。内野安打とし、今季2度目の複数安打。守備でも安定したプレーをみせた。

 投打のヒーローが上がるお立ち台。前田、松山とともに今季初めて上がり、「マエケンの顔が何とか見られます」。汚名返上の勝利を喜んだ。内外野、どこでもこなす。「一生懸命やるだけ」とシンプルに力を込めた。首位を走る野村鯉。その万能性はチームに欠かせない。

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