大瀬良続投に大声援!「譲りたくない」

プロ初完投で3勝目を挙げ広島・石原慶幸(右)と握手を交わす広島・大瀬良大地=甲子園(撮影・保田叔久)
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 「阪神1‐6広島」(1日、甲子園)

 広島のドラフト1位、大瀬良が9回148球8安打1失点でプロ初完投を果たし、3勝目(1敗)を挙げた。

 6‐0とリードした九回表に大瀬良が打席に立つと、左翼スタンドを中心とするカープファンから大声援が飛んだ。このまま、初完封を目指し、九回のマウンドに登ることへの期待の表れだった。「すごい大きな声援をもらったと思いました」と試合後に大瀬良が振り返ったシーンだ。

 大瀬良は九回、先頭ゴメスに中堅へ5号ソロを打たれたが、初完投を目指して続投。なおも2死二、三塁と粘られたところで、ベンチから野村監督がマウンドへ歩み寄った。

 交代か、とも思われたが、監督からは「ゴメスにホームランを打たれて完封はなくなったが、完封はそれほど簡単にできることではない。切り替えて次のバッターに向かいなさい」という続投指令が下った。

 最後に代打・新井を二ゴロに仕留めてのプロ初完投。「とにかく気持ちを切らさずに1球1球魂を込めて全力でいこうと思いました。気持ちは初完投で興奮してますが、150球(近く)を投げて、体は少し疲れています。先発する以上はだれでもマウンドを譲りたくないので、完投できてうれしいです。自分の持っているベストなボールを投げようと、それだけでした。インコースをしっかり攻めることができ、カットボールも良かったです。(ゲーム差なしで阪神に)並ばれていましたが、そういうことは気にせずに、今日は今日と思いました。勝つことができて良かったです。野手の方に感謝します」。敵地でのヒーローインタビューとはいえ、大瀬良の額に浮かぶ汗の輝きは、甲子園にさわやかな風を注いだ。

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