沈黙のコイ…わずか2安打でバリ見殺し
「阪神1‐0広島」(29日、甲子園)
好投したバリントンを見殺しにしてしまった。メッセンジャーに翻弄(ほんろう)され、広島が3月30日の中日戦(ナゴヤ)以来、今季2度目の完封負け。野村監督は「打者が反応しないと…(メッセンジャーに)合わせてしまった」と厳しい表情だった。
最後に痛いミスが出た。1点を追う九回無死一塁。同点にするためにも二塁に走者を送りたかったが、堂林の送りバントは捕邪飛となり失敗。「構えが遅れてしまいました」と肩を落とした。
これには指揮官も怒りを隠せなかった。「決められたサインをきっちりやってもらわないと困る。心構えというか、予期できるものだし準備していないといけない。得点のチャンスはあそこしかないだろ」。強い口調で痛恨のミスを犯したまな弟子に猛省を促した。
チャンスは他にもあった。六回は無死一塁で、堂林にバスターを敢行させたが、結果は三ゴロ併殺。裏目に出た采配に「あそこは三塁手が前に突っ込んでいたから。バスターにしたが(打球が)正面だった」と悔やんだ。
今季ワーストの2安打。最後にミスもあった。「こういう試合を引きずらないようにしないと」。野村監督は唇をかみしめ、宿舎へ帰るバスに乗り込んだ。
