菊池、東出復帰後も二塁は渡さん!

 広島の菊池涼介内野手(23)が14日、来季もがむしゃらに二塁の定位置を奪いにいくことを誓った。この日は広島市中区でサイン会を開催。大勢のファンに囲まれたが、まだ自分が挑戦者の立場であることを強調。左膝の負傷から復活を目指す東出輝裕内野手(33)の存在も意識しながら、レギュラーの座を懸命につかむつもりだ。

 その人気ぶりは“カープの顔”であることを証明していた。早朝から長蛇の列をつくり、サイン会を楽しみにしていた多くのファン。若い女性から小さな子供まで老若男女を問わず、幅広い層の心をつかんだ菊池は一つ一つ丁寧にサインを書き、交流を深めた。

 今季は最高の1年だった。二塁のレギュラーとして141試合に出場し、ゴールデングラブ賞を獲得。プロ野球記録となる528補殺も記録し、球史に名を刻んだ。前日13日の契約更改では、今オフの契約ではチームトップのアップ率となる160%増の年俸3900万円をゲット。11月には侍ジャパンにも選出された。しかし、来季も安泰だとは思っていない。

 「競争は激しくなると思う。来年も挑戦者の気持ちを忘れずに、前に、前に、ですよ。東出さんも戻ってくるし、安泰とか気が抜けたとか、そういうのはない。がむしゃらにやっていきたい」

 真剣なまなざしで、一気にまくし立てた菊池。確かに、今年の二塁の定位置は、春季キャンプ中に左膝前十字靱帯(じんたい)断裂で東出が離脱したことで、自然と舞い込んできた。もちろん、そのチャンスをモノにしたのはさすがだが、「今年は不安の中でプレーしていた」と心境を明かした。

 来年は東出が復帰する。実績では及ばないが、菊池にはさらに大きく進化する可能性がある。来年1月には初めて久本らと静岡で自主トレを行う。「(久本に)きついと言われた。頑張ります」と自分を徹底的に追い込み、来季の土台づくりに励むつもりだ。

 東出以外にも、安部や上本、ドラフト3位の田中(JR東日本)ら若手も向かってくる。だが菊池に迷いはない。自分ができることをやれば、結果は付いてくると信じている。

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