野村、エース襲名へマエケンに宣戦布告

 広島の野村祐輔投手(24)が12日、広島市内の球団事務所で契約交渉に臨み、2000万増の年俸6000万円で更改した。自身初の2桁勝利でクライマックスシリーズ(CS)進出に貢献した右腕は、来季に向けて「マエケンさんと争えるように頑張りたい」と、前田健太投手(25)に続く次代エースに名乗りを上げた。

 力強い決意表明だった。野村は「マエケンさんと争えるように頑張りたい。(前田健が)大リーグに行くかは分からないけれど、大竹さんは巨人に行かれたし、本当に頑張らないといけないと思う」と、次代エースとしての覚悟を口にした。

 絶対エースの前田健は10日の契約交渉の際、ポスティングシステムに代わる新移籍制度での近い将来の大リーグ挑戦願望を表明。今季10勝の大竹は巨人へFA移籍した。

 ルーキーだった昨季は9勝を挙げ、新人王に輝いた野村。今季は12勝6敗、防御率3・74。チームは16年ぶりにAクラス入りし、初のCS進出。それでも「チームはいい年だったが、個人的には前半悔しい思いをした」と反省した。4月に不振で2軍落ちするなどし、防御率、投球回数は昨季を大幅に下回った。

 来季は投球回数にこだわる。野村は「1年目(172回2/3)以上は投げたい。イニング数の多い人は皆いい投手」と語った。鈴木球団本部長からも「180回を投げてくれれば、マエケンと2人で柱になる」と、期待を寄せられた。

 そして巨人戦での初白星も目指す。2年間で3度先発し、0勝1敗。10月のCS第3戦では、4回2失点で敗戦投手になった。リーグ優勝も目前で決められただけに「胴上げを両方見て悔しかった。勝ちたいです」と反骨心を燃やした。年俸で同級生の巨人・菅野(7000万円)に抜かれたことも発奮材料だ。

 今季12勝6敗の数字に「調子が悪くても修正してゲームをつくれるようになった。マウンドで気持ちに余裕があった」と手応えもある。今オフは1年間ローテを守る体づくりと直球の威力増にこだわり、新球シュートにも挑戦中だ。23年ぶりの優勝へ、若き右腕は「全てで成長したい。今年を上回りたい」と、不退転の覚悟を示した。

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