ドラ2亜大・九里凄い!7回12奪三振

 「明治神宮野球大会大学の部・準々決勝、亜大7‐0八戸学院大」(17日、神宮)

 広島からドラフト2位指名された九里亜蓮投手(22)=亜大=が圧巻の三振ショーだ。準々決勝の八戸学院大戦に先発し、毎回の12奪三振で7回3安打無失点。広島スカウト陣が見守る前で、即戦力の期待が一層高まる実力を見せつけた。

 最初から最後まで、集中力は切れなかった。6点リードで迎えた七回2死一、二塁。こん身の外角低め直球で12個目の三振を奪うと、九里は力強く右拳を握ってほえた。「1つ1つ戦っていくだけ。チームが勝ててよかった」。快投を見せてのコールド発進にも、表情は緩めなかった。

 いきなりエンジン全開だった。初回先頭から圧巻の5者連続三振。最速145キロを計測した直球で押し、鋭く変化するツーシームがさえ渡った。「リーグ戦は立ち上がりの悪い試合が多かった。しっかりリズムに乗っていこうと思った」という狙い通りに滑り出すと、中盤からは変化球の割合を増やし、三塁を踏ませなかった。

 屈辱を晴らすまでは笑えない。先発した昨年の準決勝・桐蔭横浜大戦は、七回途中2失点で降板。チームも完封負けした。「あの1日のことは忘れていない」と、かみしめるように話す。1年の時を経て、6点リードにも隙を見せず「その部分では経験が大きい」と成長を口にした。

 来季からの仲間の思いも背負う。神宮大会出場を逃したドラフト1位の大瀬良からは「オレの分も頑張ってくれ」とメールが届いた。侍ジャパンでの勇姿を見て「同期なので負けたくない気持ちはある」と、刺激を受けて大会に臨んでいる。

 視察した広島スカウト陣も期待を寄せた。苑田スカウト統括部長は「今年一番いいピッチング」と評価。「先輩たちの中で、もまれて欲しい。長く野球ができる投手が理想」と、投手陣を支える将来像を思い描いた。

 頂点まであと2勝。九里は「目の前の試合を戦った結果が、そういうものに結びつけばいい」と冷静に話した。自身初となる大学日本一を必ず手にして、笑って赤ヘル軍団の一員になる。

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