岩本 代打タイムリー…連夜の仕事
「広島4-5ヤクルト」(25日、マツダ)
たった1度の打席。そのわずかな機会で、きっちり仕事を果たした。1点を追う四回、倉の押し出し四球で同点とし、なお1死満塁。代打で打席に立った広島・岩本の集中力は極限に達していた。みんなが作ったチャンスを無駄にはできない。その一心で、必死にボールに食らいついた。
松岡が投じた3球目のフォークだった。完璧に捉えた打球は、鋭いライナーで一、二塁間を突破。勝ち越しの三塁走者を迎え入れる適時打だ。「落ちるボールは頭にあった。しっかりと踏み込めたのがいい結果につながった」と振り返った。
本来ならば代打の切り札と言えば前田智だが、左手首骨折で離脱中。その代わりを務めているのが、岩本だ。「スタメンで出たい」という思いは、もちろん強い。8月に入り、代打で17日のDeNA戦(横浜)、24日のヤクルト戦(マツダ)で本塁打を放ち、結果も出している。「どうやったらスタメンで出られるのか」というジレンマはあるが、代打としてベンチにいて欲しいというチーム事情も理解している。
ただ試合に入れば、いつでも打席に入れるように準備はしている。チームは初のCS進出に向かって、厳しい争いを続けている。今は自分のことよりも、チームが勝つために何ができるか。ただそれだけを考え、打席に向かう。
