中崎、粘投も…自己最長八回に力尽く
「広島1-6巨人」(11日、マツダ)
広島・中崎翔太投手(21)が巨人相手に粘投したが、八回に力尽きた。自己最長7回2/3、最多の123球を投げ7安打4失点で今季6敗目。チームは今季6度目の4連敗(1分け含む)を喫し、対巨人、5年連続のカード負け越しが決まった。
交代を告げられ、ベンチへと走る若武者を大入り3万2018人の観衆は拍手でねぎらった。自己最多123球の熱投。中崎が巨人に真っ向挑み、そして力尽きた。
「いつも序盤でやられているので力が入った」と初回は3四球を出す乱調で先制を許す。0‐1の三回には村田に被弾。それでも、強気が持ち味の右腕は粘り続けた。
四回に2三振を奪い3人で抑えると、五回は1死二塁から怖い村田、阿部を連続で内野ゴロ斬り。六回は長野、ロペスから三振。1‐2の七回も無失点で切り抜けた。
この日は最速148キロを計測。140キロ台後半の直球は終盤も衰えず、リリーフの登板過多もありプロ初の八回も続投。四死球と安打で無死満塁を背負い、ロペスを遊ゴロ併殺で2死。だが、寺内に粘られ中前2点適時打を浴び降板。自己最長7回2/34失点。10日に21歳の誕生日を迎え「21歳一発目に勝ちたい」と意気込んでいたが勝利はならず、6敗目を喫した。
降板後はベンチで野村監督から「最後までスピードが出ていた。それを最初から出せばいい。荒々しさがきょうは出てた」と、高評価を受けた。「まだまだ行けた。終盤でも制球が乱れないようにしっかり練習したい」と、中崎も前を向いた。
90キロの巨漢ながら連日の猛暑にも練習、試合とも長袖を着込む。「日に焼けると、疲労がたまる」というのが理由。宮崎・日南学園高時代に始めプロ入り後も続けている。終盤でも球威が衰えないのは、南国・鹿児島生まれの男ゆえの夏対策があるためだ。
4連敗を喫し、対巨人は3勝12敗2分けとなり5年連続負け越しが決まった。野村監督は「非常に悔しい。残り試合で絶対に借りを返す」と、怒りをこらえ誓った。3位・中日には0・5ゲーム差のまま。残り43試合、そしてCSで巨人にやり返すためにも、絶対Aクラス入りを果たしたい。
