ヤクルト・ライアン打てん…5戦5敗

 「ヤクルト8-2広島」(3日、神宮)

 またしても“ライアン討ち”はならなかった。前日6本塁打を放った鯉打線だが、ヤクルト・小川の前に空回り。好機を作りながらもあと1本が出なかった。勝負が決した八回に2点を奪って意地は見せたが、これで小川に対して5戦5敗。チームの連勝も3で止まり、4位に転落した。

 どれだけ負ければ気が済むのか。気分が悪いのは選手、首脳陣だけではない。「次は小川の攻略法をしっかり考えろよ」。神宮の三塁、左翼の観客席を真っ赤に埋めた鯉党から、悲痛な叫びが飛び交った。

 鯉打線の状態はよかった。前日に6本塁打を放ち、3試合連続2桁安打中と勢いに乗っていた。そして一回、2死から一、二塁のチャンスをつくり、松山が右前へ運んだ。先制点を奪ったかと思いきや、二塁走者の丸がバレンティンの好返球で本塁憤死。せっかく小川をとらえただけに、嫌な雰囲気が漂った。

 その裏に2点を先制されたが、直後の二回に反撃の機会はあった。先頭のルイスが二塁打で出塁。しかし石原、堂林、中崎とあっさり凡退し、走者を進めることさえできなかった。

 無得点が続いたが、最大のチャンスが五回に訪れた。石原の中前打を皮切りに、2四球で1死満塁。4点を追う展開だったが、大量得点を狙える状況に持ち込んだ。鯉党の声援もMAX状態。だが、菊池、丸が連続三振に倒れた。

 これがこの試合の分岐点だった。野村監督は「丸、菊池に1本出ていればね…」と厳しい表情を浮かべた。新井打撃コーチも「五回の満塁の菊池の場面で、1点を取っていれば流れは変わったけどね。あそこで頑張らないと」と唇をかんだ。

 小川に5戦5敗。毎回のように新人離れした投球術に翻弄(ほんろう)され、対策をしても相手が上回っている。「イニングごとに、真っすぐで押したり、変化球で押したり、投球パターンを変えられてしまう」と振り返った野村監督。丸も「いろんな球でストライクを取ってくる」と脱帽した。

 順位は4位に転落した。ヤクルトとの対戦はまだ9回残っており、小川と再戦する可能性は十分にある。指揮官は「次に当たる時は勝てるように頑張る」と誓った。プライドに懸けても、新人に全敗するわけにはいかない。

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