鯉ドラフト上位候補に新庄・田口!

 広島が今秋ドラフトで、広島新庄のエース左腕・田口麗斗投手(3年)を上位候補としてリストアップしていることが29日、分かった。28日の全国高校野球選手権・広島大会決勝では延長15回を投げ抜き、無失点に抑えてドロー。30日に行われる再試合(13時・尾道市びんご運動公園しまなみ)で、瀬戸内の右腕・山岡泰輔投手(3年)との決着をつける。

 広島の高校野球史に残る熱投を演じた地元の好投手に、カープが動かぬわけにはいかない。球団首脳は新庄・田口に関し、「スライダーに切れもあり制球もいい。球(の出どころ)も見にくい。背が低い(170センチ)のは別に構わない」と、最大級の評価を与えた。

 今秋ドラフトは即戦力投手が補強方針で大学・社会人投手の1位指名が有力。それでも「(田口は)即戦力に近い。先発完投型の投手に行きたい。地元の投手だし残っていれば幸せ」と、上位候補としてリストアップしていることを明かした。

 広島大会では巨人が5人ものスカウト陣で熱視線を送るなど、最速147キロ左腕への注目は高まるばかり。28日の決勝ではライバル右腕・瀬戸内の山岡と投げ合い、ともに一歩も譲らず延長15回を無失点に抑え切った。

 0‐0の延長十三回には無死満塁のサヨナラ負け危機を背負ったが、遊ゴロ、連続三振で脱出。ピンチで動じぬ精神力に加え、19三振を奪い、213球を投げ抜いたスタミナも満点の素材だ。

 決勝戦での引き分け再試合は1県代表となった59年以降、大会史上初。30日は山岡と仕切り直しの決着戦だ。迫田監督は「ほかに誰がいますか?」と揺るがぬ信頼を口にし、春夏通じ県北勢初の甲子園を田口に託した。

 田口はこの日、新庄高グラウンドで軽めのキャッチボールなどをこなし、汗を流した。激闘後の前夜は「とにかく腹が減っていた」と、ハンバーグをおかずに丼1杯半のご飯を食べると、9時間、泥のように眠った。

 一夜明け、肩肘に不安なく体力も戻った。打倒・山岡へ再び気力もみなぎってきた。「山岡と投げ合うのは楽しい。甲子園は近いようで近くない。夢のデカさを思い知らせてくれる。リセットして新しい敵としてやる。今の3年生はみんなが信頼し切ってきた。今のチームで負ける気はしない」。ゼロを計30個並べたプロ注目の両エースが、雌雄を決する。

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