エルド4番剥奪も…鯉逆転負け4位転落
「広島1-3阪神」(5日、マツダ)
広島・野村謙二郎監督(46)が、ブラッド・エルドレッド内野手(32)から4番を剥奪する可能性を示唆した。打線の低迷で阪神に逆転負け。4位転落となった試合後、不調の4番に言及。今季は右手骨折で離脱したが、出場40試合すべてで4番に座ったエルドレッド。その不動の4番を定位置から外す“カンフル剤”で、得点力不足の打線に奮起を促す。
抵抗する力はなかった。点差はわずか2点。最後の攻撃に観客席の鯉党も期待したが、最後は淡々と3人がアウトを積み重ねた。試合時間は広島戦では今季3番目に短い2時間31分。自然にやさしい“エコ野球”はいいが、あまりにも淡泊すぎる敗戦だった。
課題の打線に復調の兆しはなかった。一回に丸の適時打で先制点を奪い、主導権を握ったが、ここまでだった。逆転された直後の二回、連打から1死二、三塁の絶好機では会沢、代打の迎が連続三振。三回以降は1安打で二塁も踏めなかった。
野村監督も嘆き節だ。「初回にいい攻撃をしながら、二回には走者を置いて三振、三振だからね。打ちたい気持ちは分かるが、会沢みたいに力んでしまっては。相手に隙を見せて主導権を与えてしまった」。チャンスをものにできない打線にいら立ちを隠さなかった。
打線の状態が上がらない原因は、間違いなくエルドレッドの不振だ。この日も4打数無安打に終わり、10打席連続無安打。リーグ戦再開後の12試合は47打数8安打、打率・170と、4番としてはあまりにもふがいない成績だ。
打順変更を決断する時期は来ている。試合後、指揮官は「(エルドレッドの打順は)考えないといけない。一番期待するところだから。丸が調子がいいだけに、(4番で)トーンダウンしてしまう。明日、打撃コーチと話してみないといけない」と、エルドレッドの4番剥奪の可能性を示唆。新井打撃コーチも「(打順変更を)考えないといけない状況になってきた」と厳しい表情を浮かべた。
再び4位に転落した。3位中日とは0・5差。ただ一刻も早く打線を再生しなければ、3位争いから離脱してしまう可能性も十分にある。「1にも2にもチャンスで1本が出ないことが、ベンチ、選手も乗っていけない要因を作っている」と野村監督。4番変更の大ナタで、この難局を打開するしかない。

