今村また…救援陣崩壊、延長サヨナラ●
「ヤクルト8-7広島」(25日、神宮)
神宮の杜で、野村鯉がヤクルトとシーソーゲームの死闘を演じた。けが人続出の危機的状況で、指揮官は赤松と小窪を今季初めてスタメンに抜てき。大幅にオーダーを組み替え機能した。六回に逆転。再び勝ち越されたが、九回にまた追い付き延長戦へ持ち込んで十一回に勝ち越し。しかし、その裏にまた同点とされ、延長十二回、1死満塁から菊地原がヤクルト・三輪にサヨナラ打を浴びて5時間を超える試合に敗れた。
誰も結末が予想できない激闘だった。一進一退の攻防で延長十二回にもつれ込み、7番手の菊地原が、サヨナラ打を浴びた。しかし、野村鯉はベンチにいた野手全員をつぎ込み、最後まで勝利をあきらめずに食らいついた。
大幅に組み替えた打線は的中した。2点を追う六回、代打の迎が中前打で出塁。今季初スタメンの赤松がバント安打で続き、無死一、二塁のチャンスを作った。ここで菊池が意表を突くバスター。快音を残した打球は左中間を破り、走者を一掃した。怒とうの3連打で一気に同点。「ショートの動きも見えてたし、三遊間に引っ張ってやろうと思って打った」と振り返った。
さらに2死一、三塁で、堂林が打席に立った。「気持ちで打った」。その言葉通り、バットを折りながらも中前へ運ぶ、逆転の一打。さらに今季初スタメンの小窪も中前適時打を放ち、この回一挙4点を奪った。
しかし今村が2試合連続の背信投球。七回にバレンティンに逆転3ランを浴び、再びリードを許してしまった。それでもあきらめず、土壇場の九回、1死満塁と粘り、広瀬の押し出し四球で同点。試合を振り出しに戻した。
そして延長十一回、丸が打った。2球で2ストライクと追い込まれたが、焦りはなかった。古野が投じた3球目の直球。こん身の力で振り抜いた打球は高々と舞い上がり、鯉党で真っ赤に埋まった左翼席最前列に落下した。今季1号の勝ち越しソロ。これで決めたかったが、その裏に上野がつかまり、同点に追いつかれた。
故障者続出の非常事態で、チームは一丸となった。20日の巨人戦で4番のエルドレッド、23日のヤクルト戦で前田智がそれぞれ骨折。新外国人のルイスも不振で、野村監督は「オーダーを組むのも大変」と頭を痛めたが、現有戦力が必死にカバー。これが今できる野村鯉の野球。苦しい戦いは続くが、この攻撃を続けていくしかない。
