東出が今季絶望…左膝前十字靱帯の断裂

 24日の2軍紅白戦で左膝を痛めた広島の東出輝裕内野手(32)が27日、広島市内の病院で精密検査を受け「左膝前十字靱帯(じんたい)の断裂」と診断された。3月18日に手術を受ける予定で、復帰まで8カ月から9カ月かかる見込み。開幕どころか今季中の復帰も絶望的となった。チームの精神的支柱である選手会長を欠き、今季に臨む野村鯉。22年ぶりの優勝へ暗雲が立ちこめた。

 強烈な雨が降る沖縄に、さらに激震が走った。東出が左膝前十字靱帯断裂で今季絶望…。練習後、沖縄市内の宿舎に戻った野村監督は「こんなに大ごとになるとは想像していなかった」と、思わず絶句した。

 レギュラー奪取へ、進化した姿を見せようとした矢先の出来事だった。1軍の沖縄遠征に帯同せず、2軍の日南キャンプに残留していた東出は、24日に天福球場で行われた紅白戦に出場。本塁に突入し、倉のブロックを避けようとした際に左膝を負傷したという。26日に広島に戻り、この日の精密検査で重傷であることが判明。今後は3月14日に入院し、同18日に手術を受ける予定だ。

 野口チーフトレーナーによると、リハビリ開始時期などは手術をしなければ分からないが、復帰には8カ月から9カ月はかかる見込みだ。つまり奇跡的な回復を見せない限り、今季中の復帰は絶望ということだ。

 野村監督は今年の東出に大きな期待を持っていた。「昨年のけが(右手中指骨折)もあって、今年こそはという思いで、名古屋(3月2、3日の中日とのオープン戦)に合わせて調整していた中でのことだっただけにね。(電話で)『気持ちを強く持って頑張れ』と伝えた。育ってきた若手とベテランが、これから融合しようというときに残念だね」とため息をついた。

 指揮官の言葉通り、若手が育ち、戦力が厚みを増してきたときだけに東出の離脱は痛い。昨季二塁を守った菊池は遊撃に固定させる方針で、空いた二塁には安部や梵が入ることになるが、東出がいなくなったことで戦力は確実にダウンした。

 チームの精神的支柱を失ったまま開幕を迎えることになるが、野村監督は「シーズンで結果を出していい順位になり、東出が戻って試合に出られる状況にしたい」と、東出とともに戦うためにもCSに進出することを誓った。開幕前に衝撃を与えた悲報。だがこの試練をプラスに変えて、戦っていくしかない。

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