侍・石崎 ピシャリ 「いい勉強をさせてもらった」“地元”で2者連続K

 「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2018、日本6-0オーストラリア」(4日、京セラドーム大阪)

 いまか、いまかと観衆が待ちわびていた。阪神と同じ背番号「30」。八回、名前がコールされると、割れんばかりの声援がその背中に注がれた。「マウンドに上がった際に声援が聞こえたときは、ものすごく力になった」。石崎剛投手が投じた初球真っすぐが、乾いた音と同時にミットに収まった。

 堂々とした姿だった。2度目となった侍の舞台。まずは先頭打者を3球で三振に斬って取ると、さらに勢いは加速。2人目も外角ギリギリにコントロールした直球で空振り三振、2者連続三振を奪うと、最後は二ゴロに料理した。

 ただでは帰れない。日の丸を背負うということは、どういうことなのか。チームを離れる際、鳥谷から「この時期にチームの外から野球を見ることが、いい経験になる」と言葉をかけられた。

 ただ単に抑えるだけではいけない。収穫を得てチームに戻る。「すごい選手ばっかりの中で、プレーできるということは本当に幸せなこと。いい勉強をさせてもらった」と石崎。与えられた4日間という時間の中で、中日・田島らと食事に行くなど野球談議に花を咲かせた。

 静まりかえった球場で見せた、渾身(こんしん)の11球。大仕事を果たし、大歓声に包まれる中には笑顔の石崎の姿があった。

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