「ＮＰＢアワーズ２０１６」（２８日、グランドプリンスホテル新高輪）

　最優秀新人（新人王）はセが阪神・阪神・高山俊外野手（２３）、パは日本ハム・高梨裕稔投手（２５）が選ばれた。

　緊張気味の面持ちで、高梨は無数のフラッシュを浴びた。「素直にうれしい。大卒３年目で、まさか獲れるとは思っていなかった」。高卒で入団した選手以外の入団３年目以上の新人王受賞はパ・リーグ初。１年目で規定打席に到達した次点の楽天・茂木を、わずか１５票差で退けた。

　劇的な逆転Ｖの象徴的な存在だった。６月８日・広島戦から先発に転向し、自身８連勝。１０勝２敗の成績を残した。右腕の作った貯金８は、１１・５差を縮める原動力の一つとなった。

　「支えてくれた人たちのおかげで、自分は今ここにいられる」。中でも、心に刻むのは、千葉・土気高時代は無名だった自分をプロの世界に導いてくれた母校・山梨学院大の恩師、元巨人の高橋一三さんだ。昨年７月、６９歳で死去。「もっと早く活躍できれば良かった」と生前に恩返しが果たせなかったことを悔いたが、「いい報告ができると思う」と墓前に感謝を伝える。

　一生に一度の勲章に、「何年も結果を残し続けてこそ一流だと思う」と高梨。さらなる高みを目指す。