最下位オリックス捕逸「0」熱パV争いの裏で…史上初達成なるか

 パ・リーグ最下位のオリックスが、前人未到の大記録に挑戦している。ワーストではない、プロ野球記録だ。それは捕逸0。過去はセで1979年の広島、パでは81年の近鉄、2007年のロッテの1が最少。残り7試合。捕逸なしでシーズンを終了すれば記録更新となり、球史にその名を残すことになる。

 オリックスで最後に記録された捕逸は昨年8月29日、ロッテ戦の六回に山崎勝。以来、162試合、一つもない。長いプロ野球の歴史でシーズン最少は1。先人たちも達成できなかったパーフェクトにオリックス捕手陣がその手を届かせようとしている。

 今季マスクをかぶった捕手はプロ3年目・若月の77試合を筆頭に伊藤64試合、山崎勝43試合、伏見、田中、斎藤俊と6人。そのいずれもがミスでボールをそらすことがなかったことになる。

 昨季はリーグ5番目の捕逸10。大幅減の原因を鈴木バッテリーコーチはこう分析する。

 「追い込んでからだけでなく、すべてのボールに対して常に止めにいくようにずっと言ってきた。走者がいてもいなくても。何でも止めにいくことで準備ができているのかもしれない」

 無走者なら2ストライク以降でなければ、振り逃げされることもないが、常にボールを止めることで、いざというときも自然に反応できているのではないかとみている。

 加えて捕手陣の意識の高さも口にした。

 「ワンバウンドを止める練習は毎日じゃなくていいと言ってる。でも選手の方から毎日、率先して来る。その積み重ねもあると思います」

 若月は「当たり前です。歯を磨くのと同じ。毎日やるものだと思ってます。ウチは先輩がみんな止めるのがうまい。僕も自信はあります」と胸を張る。

 昨季6個だった伊藤は技術面の改良を明かした。「打撃と同じでボールを捕りにいっていた。今はできるだけ引きつけて捕るようにしている。(サインで)要求している以上、止めないと投手との信頼関係に関わる。全力で止めてます」。

 残り7試合。記録達成の期待がかかる。伊藤が「オリックスの捕手として記録達成できれば自信になる」と言えば若月も「いつも捕れなくても止めにいきたいと思っている。最後まで続けるだけです」と意気込んだ。

 し烈なV争いの裏で地味ながらオリ捕手陣のパーフェクトにも注目したい。

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