大阪桐蔭を撃破した関大北陽の秘策 外野フライ14個のアウトが示した

接戦を制し喜び勇んで整列する関大北陽ナイン=舞洲球場(撮影・石湯恒介)
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 「高校野球大阪大会・3回戦、関大北陽2-1大阪桐蔭」(21日・舞洲ベースボールスタジアム)

 大阪桐蔭を倒した関大北陽にはある“秘策”があった。プレーボールがかかった瞬間から、高校野球では珍しいほど深い守備陣形を敷いた。辻本忠監督(39)は「ウチは力でやっても勝てないので。シングルならオッケーという形にしました」と明かす。

 外野手は全員がフェンス近くまでさがっていた。舞洲の外野芝生は、現在、外野手の定位置とされる付近が傷んで色が変わっている。そこから約10メートル後方に定位置を置き、左翼手の兵頭は「ここまで下がったのは高校野球をやっていて初めてです」と明かす。

 さらに一、三塁はどんな状況でもベースの後方。二遊間は外野芝生と内野の境目まで下がり、中軸になると芝生の上に立っていた。1点リードの七回2死二塁の場面でも外野手は前進せず、1ヒットで同点ならOKという形を取った。

 守備だけでなく、エースの清水寛投手(3年)は「このチームに勝つことを目標にやってきた。ブルペンではとにかく低め、低めを意識した」。練習から低めの制球力を徹底して磨いた。「こんなに低めを意識したことは今までなかったです」と明かすほど。さらに試合が始まると、全投球の7割をスライダー、ツーシーム、チェンジアップなどの変化球で組み立てた。

 「自信があるのはスライダー」と清水は丁寧にボールを低めに集めた。直球の最速は130キロ前後ながら、ネット裏から見ていても、変化球主体の投球だっただけにより速く見えた。

 そんな徹底した対策が、大きく功を奏す。強打で知られる打者が放つ痛烈な打球は、ことごとく深い守備陣形に捕まった。本来なら外野の頭上を越し、左中間、右中間を破ってもおかしくない打球が野手のグラブに収まっていった。

 奪ったアウト27個のうち、外野フライのアウトは14個。高校野球ではかなり珍しい数字だ。三遊間を抜けそうな打球も、遊撃手の若狭が強肩を生かし深い位置からアウトにして見せた。結局、失点は外野手の頭上を越してスタンドまで届いたソロ本塁打による1点のみ。強打で知られる大阪桐蔭打線をわずか4安打に封じて見せた。

 辻本監督は「春に(準決勝で)対戦できたのが大きかった。そこで打球方向とかのデータを集めることができたので。選手たちも攻めてくれました。頼もしく見えました」と目を細める。選手たちと話し合って対策を練り、それを実践するための練習を重ねた。

 すべては春季大阪大会の準決勝で敗れた大阪桐蔭にリベンジするために-。ただ指揮官は「もうこれで簡単に負けることはできない。大阪桐蔭の思いに報いるためにも、勝たないといけない」と力を込めた。

 エースの清水も「これで終わりじゃない」と表情を引き締める。大阪桐蔭に勝ったチームとして、激戦区の大阪を勝ち抜く覚悟はより、この1勝で深まった。

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