長田サヨナラ発進 傷だらけエース園田10回完投10K
「高校野球兵庫大会・2回戦、長田2-1六甲アイランド」(15日、明石トーカロ球場)
兵庫大会では今春センバツに21世紀枠で出場した長田が、昨秋県8強の六甲アイランドにサヨナラ勝ちした。エース・園田涼輔投手(3年)が八回2死まで無安打無得点の快投。10回3安打1失点、10奪三振で初戦突破に大きく貢献した。同じく選抜出場の青森山田は4回戦で姿を消した。
ゲームセットの瞬間、エースは喜びを爆発させた。「初戦がヤマだと思っていた。周りのみんなに助けてもらった」と満面の笑みを浮かべた園田。だがチームを引っ張ったのは間違いなく、背番号1の快投だ。
立ち上がりから丁寧にボールを低めに集めた。相手が変化球を見極め始めた六回からは、最速140キロの直球で押した。3四死球で招いた七回2死満塁のピンチも、直球でねじ伏せ決定打を許さなかった。だが、ほんの1週間前までは、マウンドに立てる状態ではなかった。
「すごく不安でした」と揺れた心境を明かしたエース。センバツ時から抱えていた右肘の違和感はなかなか収まらなかった。調整ペースを上げた6月半ば、無意識に右腕をかばっていたことで腰痛を併発した。
まったく練習できない時期もあったが「1週間前に状態が上がってきた」とギリギリの調整で夏の初戦に間に合わせた。1カ月ぶりの実戦にも関わらず、輝きを放った秀才右腕。苦難の道を乗り越え、夏の聖地へ大きな一歩を踏み出した。