四国ILで実現 台湾レジェンド対決

 野球の独立リーグ・四国アイランドリーグplus(IL)で、台湾人選手による豪華対決が実現した。11日に愛媛県西条市で行われた愛媛マンダリンパイレーツ-徳島インディゴソックス戦。徳島に今季新加入した強打者・張泰山(39)と、4月末に愛媛に入団した右腕・陽建福(37)がともに先発出場。台湾プロ野球界を代表する“レジェンド”2選手の一騎打ちに、四国の野球ファンも盛り上がった。

 張泰山は2013年に台湾球界初の2000本安打を達成したスラッガー。通算2134安打、289本塁打、1338打点はすべて歴代1位という伝説的プレーヤーであり、絶大な人気を誇る国民的ヒーローだ。

 陽建福は最速152キロの速球と鋭いスライダーを武器にする本格派右腕。通算80勝を誇り、台湾では「スライダー王子」と呼ばれ人気が高い。

 2人は2010年まで、興農ブルズでチームメイトとしてプレーした。台湾代表としても06年WBCや04年アテネ五輪、08年北京五輪で一緒に戦い、日本とも対戦経験がある。

 11日の直接対決は、「5番・DH」で出場した張の3打数1安打だった。1打席目は一邪飛、2打席目は投ゴロに倒れたが、3打席目に左翼線を破る痛烈な二塁打を放った。陽が降板したあと、0-2で迎えた八回には二死満塁のチャンスで打席が回り、愛媛の2番手投手から左翼席に逆転満塁弾をたたき込んだ。試合は徳島が8-2で逆転勝利。先輩の意地を見せた形となり「彼と日本で対戦できてとてもうれしい。彼はとても頭のいい投手。勝負を楽しめたよ」と張は満足そうな笑みを浮かべた。

 陽も7回4安打無失点、6奪三振の快投だった。自慢のスライダーで相手打者を圧倒。試合後は「チームが負けたのは悔しいけど、張さんのホームランを見られたのはうれしい」と話した。

 2人の対決を楽しみにしていたのが徳島の中島輝士監督(53)=元日本ハム=だ。同監督は11~13年の3年間、張が在籍していた統一セブンイレブン・ライオンズでコーチ・監督を務め、昨季終了後に同球団を退団した張を徳島に誘った。

 同監督は「張さんには日本と台湾の架け橋になってほしい」と話し、こう続ける。「台湾野球はメジャー流の力勝負を好むが、張さんには日本の細かい野球も覚えてもらって、将来、指導者になって台湾の野球を変えてほしい。アイランドリーグでもそれを学べる」。

 台湾球界ではピークを過ぎたと評価される張と陽だが、四国ILでは「さすが」と思わせるプレーを見せている。2人の加入に影響を受け、今後は台湾からトップ級選手の四国IL移籍が活発化するかもしれない。それがリーグのレベルアップにつながるならば、選手にとってもファンにとってもメリットは大きい。四国ILの新たな見どころとなった「台湾対決」に今後も注目だ。(デイリースポーツ・浜村博文)

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