智弁村上4戦連続完投で劇勝呼んだ
「選抜高校野球・準決勝、智弁学園2-1龍谷大平安」(30日、甲子園球場)
準決勝2試合が行われ、智弁学園(奈良)が2年前の大会覇者、龍谷大平安(京都)に九回1死から怒とうの4連打で逆転サヨナラ勝ち。1番・納大地内野手(3年)が決勝2点打を放ち、エース右腕、村上頌樹投手(3年)は全4試合で完投。
村上は、一塁ベンチ前で延長戦に備えてキャッチボールをしながら、歓喜の瞬間を見届けた。0-1で九回裏突入も「延長、あると思ってましたから」と、味方を信じ抜いていた。
今大会4試合、2完封、自責点1。紛れもないエースだが、数字だけではない。この日の失点は失策絡みだが「エラーよりも、僕が悪すぎた。すべての球が良くなかったし、序盤は気持ちが逃げてました」と、チーム一丸の意味を理解した大黒柱に育った。
チームが目指すところは粘り強さ。宿舎では毎朝、語呂合わせで納豆2パックがノルマとなっている。村上は納豆が苦手なのだが、そこはエース。気合で胃袋に押し込む。
苦労のかいあって劇的なサヨナラ勝ち。1977年春、95年夏のベスト4という過去最高位をついに突破。「明日も勝って、『智弁』と言えば和歌山でなく、奈良と言われるようになりたい」と、この日の龍谷大平安、そして決勝戦での高松商と古豪を連覇しての頂点を見据えた。