木更津総合・早川ほえた 大阪桐蔭撃破
「選抜高校野球・2回戦 木更津総合4-1大阪桐蔭」(26日、甲子園球場)
木更津総合は左腕・早川隆久投手(3年)の好投で大阪桐蔭を下し、45年ぶりに8強へ駒を進めた。
たまっていた感情が爆発した。空振り三振で試合を締めると、早川は雄たけびを上げてグラブを激しくたたいた。「リベンジができてよかった」。因縁の強敵を下し、45年ぶりとなる8強。心の底から笑みが広がった。
初回にいきなり被弾。これがプラスに働いた。「気を引き締められた」と、とにかく低くという意識を集中。球威が増した直球で押し、低めのカーブ、チェンジアップを振らせた。結局、5安打1失点で堂々の完投だ。
昨秋明治神宮大会で大阪桐蔭に敗戦。以降は帽子のつばに「打倒大阪桐蔭 2-5」とスコアも書き込み、鍛錬を積んだ。この日は15種類のルーティンのうち球場に向かう車中で聴く音楽だけ、普段のクイーンからE-girlsに変更。前回敗退時に聴いていた曲を「クイーン」から変えることで、験担ぎにもこだわった。
昨年11月23日に野球部を支えてくれた真板益夫前理事長が95歳で死去。12年夏にも敗れた大阪桐蔭撃破を強く願っていた。「恩返しするには、こういう舞台でいい投球をするしかない。全国制覇を目指したい」。手向けの白星を贈った左腕は、次なる目標へ視線を上げた。