巨人公式戦で現金やりとり 指揮官謝罪

 巨人・高橋由伸監督(40)が14日、横浜市内で開催された「セ・リーグファンミーティング2016」に出席し、一連の野球賭博問題について初めて謝罪の言葉を口にした。自チームの公式戦の勝敗に絡んで選手が現金のやりとりをしていた実態が明らかになるなど、逆風は収まる気配がない状況。現場トップとして苦しい胸中を打ち明けた。

 落胆するファンの視線を受け、高橋監督が重い口を開いた。「開幕前にそういった暗いニュースばかりうちのチームから出てしまっているので、本当に申し訳ない」。高木京介投手(26)の賭博行為関与が判明した8日以降、初めて謝罪の言葉を口にした。

 この日は賭博問題に絡んだ新事実が判明し、球団の森田清司総務本部長が都内で会見。昨季まで、チームには試合前の円陣で声出し役を担当した選手が、勝ち試合の後で他の選手から一律5000円の“ご祝儀”を受け取るルールがあったことを明らかにした。

 投手陣と野手陣で分かれて円陣が組まれ、ほぼ全選手が参加。1軍登録メンバーは投手12、野手16人程度のため、1試合ごとにそれぞれ6万円前後と8万円前後が動いていた。連勝中は声出し役は変わらず、総額は大きくなっていったという。負けた場合は逆に1000円ずつ払っていた。

 きっかけは、巨人が開幕ダッシュに失敗した12年シーズンの春頃。森田総務本部長は「チームの一体感、士気を高める意味もあったと聞いている」と説明し、この「験担ぎ」を始めた頃からチームは上昇気流に乗り、優勝を勝ち取ったという。

 森田総務本部長は「運のいい声出し役にご祝儀を払うということがずっと続いていた。勝つために士気を高めるためにやっていた行為で、敗退行為とは全く正反対の行為だと言える」と、賭博行為ではないことを強調。すでにチーム内では廃止されているものの、負のイメージが広がったことは否めない。

 この日、ファンの前に立った指揮官には「頑張れ」というエールに交じり、「謝れ!」という厳しい声も飛んだ。「ユニホームを着ている我々は野球すること以外ないですし、そういったところで信頼を回復していくしかない」。昨秋、就任前に明らかになった賭博問題。高橋監督にとっても心機一転で臨むはずのシーズンは、最悪の形で幕を開けようとしている。

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