田中正義のドラフト!最多8球団超えか
1人の“超目玉”の存在で、2016年のドラフト戦線は例年とは異なる様相を呈しそうだ。ダントツのNo.1評価は、創価大・田中正義投手(3年)。最速156キロ右腕には、過去最多の8球団競合を超える1位指名の可能性がある。
もはや大学球界には敵はいない。昨年見せた創価大・田中の投球は“難攻不落”という言葉がふさわしかった。
リーグ戦は50イニング連続無失点を継続中。秋はノーヒットノーランを含む6勝、46イニングを投げて防御率0・00で、大学の先輩でもあるヤクルト・小川のシーズン記録(0・12)を塗り替えた。NPB選抜から7者連続三振を奪った6月の大学日本代表壮行試合でも、ネット裏に衝撃を与えた。
186センチ、91キロの体から繰り出す角度のある直球は、軽く150キロ台を計測。140キロ前後の高速フォークもある。「今でもローテで10勝」「ドラフトは、まず12球団でクジをひけばいい」など、スカウト陣から漏れるのは絶賛の声ばかり。それでも田中は「技術もフィジカルもまだ理想の半分」という。
トレーニングや食事法も研究している。意識の高さは、小川ら多くのプロを育てた岸雅司監督をして「正義を見ているからOBを見ても感動しなくなってきた」と言わしめる。
主将にも就任。創価大初の日本一が今年の大目標となる。注目を一身に集める状況にも「周りがどう評価するかは関係ない。このぐらい乗り越えないと、上では通じない」と言い切った。1位競合は、89年の野茂英雄と90年の小池秀郎の8球団が最多。更新はあるのか。2016年は田中正義一色のドラフトになる。