巨人・鈴木、19年目で初のサヨナラ打
「巨人2-1DeNA」(30日、京セラ)
“足の職人”が、バットで決めた。巨人・鈴木がプロ19年目で初のサヨナラ打。九回2死一、二塁の好機で、遊撃後方にポトリと落とす値千金の中前打を放った。バットの根っこで外野まで運ぶ執念の一打に、37歳は「最高だね。最高の詰まり具合だったね」とおどけた。
チームに欠かせない代走の切り札。この夜も八回、1死二、三塁の場面で、三走・亀井の代走で出場。満塁となってから、高橋由の左犠飛で先制のホームを踏んでいた。意外なヒーロー出現に、原監督も「打席数が少ないが、キャリア、強さが出たね。前進守備の(外野の)前に落とすのは見事だね」と笑いが止まらなかった。
準備のたまものだ。本拠地では誰よりも早く球場入り。入念なストレッチ、マッサージで商売道具である足をケアする。一方で打席に立つことは少ないが、練習のフリー打撃でも手を抜かず、常にフルスイング。こうした姿勢が劇的な一打につながった。
13日からの3連戦で3連敗を喫したDeNAに、見事な3タテ返し。チームの盛り上がりは最高潮に達し、長野や片岡らが中心となって鈴木を胴上げする騒ぎとなった。ベテランは「初ものづくしでいいんじゃない。いい後輩に恵まれて、うれしい」と笑顔。王者の勢いが加速してきた。