Deドラ3倉本決勝打!G高木勇止めた
「DeNA4-2巨人」(10日、新潟)
少し強引に、そして力強く、たたきつけた。打球は弾みながら一、二塁間を抜けた。同点の八回、1死満塁。DeNAドラフト3位・倉本(日本新薬)が、内角高めのボール球に食らいつく。高木勇に黒星をつける決勝打だ。
「同じルーキー。負けたくない気持ちで臨みました」。絶好機に打席を迎えて高揚した。「うれしかった。思い切りのよさが出てよかった」。自然にガッツポーズが出た。
前夜まで打率・188。不振だった。「チームが勝っていることはうれしかったけど、個人的には複雑だった」。それでも中畑監督は8試合ぶりに先発に抜てき。「前回(3月29日)、高木(勇)から2本打っている。練習でも兆しは出ていた」と説明した。
「守備はいい選手。打撃が整えばショートの1番手になれる」と評価する。期待のルーキーの一打で、10年ぶりの5カード連続勝ち越し。「追いつかれて、はね返した。いつもならやられていると思う」と昨季までにない手応えを感じ取った。
「母の日なので絶対に打ちたかった」。初体験のお立ち台。倉本は母・智恵子さん(45)への思いを口にした。「前向きに行きなさい」「自信を持ってやりなさい」。励ましの言葉で奮い立たせられた。「すごく感謝している。そういう気持ちを込めました」。恩返しの一打だった。