敦賀気比・平沼、ダル以来の夏春完封

 「選抜高校野球・1回戦、敦賀気比3-0奈良大付」(23日・甲子園)

 崩れる気配はみじんも感じさせなかった。マウンドからみなぎる自信、風格-。昨夏、4強進出の原動力となった敦賀気比・平沼翔太投手(3年)が奈良大付を10奪三振で1安打完封。終了のサイレンが鳴り、9つのゼロが並んだスコアボードを心地よさそうに見つめる。

 立ち上がりから丁寧にスライダーを低めに集めた。相手の右打者が踏み込んできた二巡目以降は、逆に懐をグイグイ攻めた。五回まで無安打投球。六回1死から初安打を許したが、最後まで自分のペースを崩さなかった。

 昨夏の1回戦でも完封勝利を記録しており、夏春連続の完封は右投手では03、04年のダルビッシュ(東北=現レンジャーズ)以来。それでも「マウンドに上がるまで不安だった」と平沼。今年に入り投球フォームが定まらず、直前の練習試合では打ち込まれた。

 練習では100球予定でブルペン入りしても、気づけば200球オーバー。周囲の制止がなければ延々と投げ続ける右腕がいた。それが前日、東哲平監督(34)から「腕の振りやすい位置で投げてみろ」の助言で劇的に変化。それまでの苦悩がウソのように本来の姿を取り戻した。

 最終回には「力を入れた」と直球の最速が142キロを計測。「次も自信を持って行ける」と語るエースの表情には一点の曇りもなかった。

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