怪物・松坂、聖地から0封再出発

 「オープン戦、阪神0-3ソフトバンク」(4日、甲子園)

 やっぱり「怪物」には甲子園が似合う。ソフトバンクの松坂大輔投手(34)が9年ぶりとなった日本球界復帰戦を零封で飾った。阪神とのオープン戦に先発し、3回を4安打無失点。真っすぐも最速146キロをマークした。次回登板は中5日での10日、巨人戦(長崎)が有力。栄光が染み込んだマウンドから再出発し、シーズンへと突き進んでいく。

 闘争本能が目覚めた。予定イニング最後の三回、松坂はギアを一気に上げた。それまで140キロ前後だった真っすぐが、2死二、三塁、四球となったゴメスへの6球目に、この日最速の146キロをマークした。

 「ランナーが出て、抑えることを意識した。最後は力のあるボールがいきだした」。満塁で、続くマートンを145キロで遊ゴロに仕留めると、ホッとしたように右手で胸の辺りをたたきながらベンチへ戻った。

 「久しぶりの実戦でふわふわしてうまく力が入らない感じだった」。日米通算164勝の「平成の怪物」もこの日ばかりは勝手が違った。日本球界での登板は西武時代の2006年10月7日のプレーオフ第1Sのソフトバンク戦以来、3070日ぶり。「いい球場。広さ、雰囲気がやはり甲子園だな」。気持ちは高ぶった。

 立ち上がりは球が走らず、ばらついた。二回は連打を浴びた。三回はエンドランも決められた。それでも「向こう(米国)では神経質に考えていなかった。細かい動きをしてくれたのはありがたい」と前向きに捉えた。

 「投げていくうちに、重心が下の方に下りてきた。強く腕を振る感覚が出てきた」。剛球でねじ伏せる、以前のような投球ではなかったが、変化球を交えた投球術でピンチの芽を摘み取った。

 9年ぶりの日本球界復帰。倫世夫人と3人の子どもを米ボストンに残してきた。宮崎キャンプ中は、毎日電話やメールで連絡。バレンタインデーには、子どもたちの手作りのぬいぐるみがメッセージを添えて贈られてきた。「いつも何かもらっているんですよ」。これまでのプレゼントも福岡の新居に運んだ。

 春休みに合わせ、開幕前には家族も来日予定。かっこいいパパの姿を見せるためにも、徐々に仕上げていく。

 「実戦で打者に対して投げることで自然と状態も上がってくると思う」。次回は中5日で10日の巨人戦が有力。「きょうみたいな感覚は最初だけ。次からは落ち着いて投げられると思う」。上々の無失点発進。あとは右肩上がりで仕上げていく。

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