復活の済美・安楽に中村GMもゾッコン

 「高校野球・練習試合、済美2‐0鳴門渦潮」(5日、済美グラウンド)

 今秋ドラフトの目玉候補で済美(愛媛)の157キロ右腕・安楽智大投手(3年)が5日、松山市の済美グラウンドで鳴門渦潮(徳島)との練習試合に先発。阪神・中村勝広GM(65)が視察に訪れるなどプロ6球団12人のスカウトの前で、4安打完封の快投を披露した。直球の最速は147キロで6奪三振、球数は96球。右肘故障からの完全復活を印象づける内容に、中村GMも賛辞を惜しまなかった。

 怪物右腕が完全復活だ。今春の四国大会準優勝校・鳴門渦潮を4安打完封。直球は最速147キロを計測した。ネット裏から届く6球団12人の熱視線に剛球で応えた済美・安楽は「スピードが出たのは腕が振れている証拠」と納得の表情で話し、「MAXに戻っている」と全快宣言も飛び出した。

 視察に訪れた阪神・中村GMも感嘆のため息だった。安楽の投球を見るのは昨夏の甲子園以来、約1年ぶり。昨年9月に痛めた右肘の状態が気になっていたが、「V字回復しているね」と“心配なし”を確認した。

 さらに「魅力あふれる投手。こういうパワーがある投手はオレ、好きなんだよ」と熱愛ぶりを吐露した。今後も四国担当の山本宣史スカウトを密着マークさせる構えだが、「もう1回見てみたい」と中村GM。夏の愛媛大会(13日開幕)中の再視察を検討している。

 4月上旬の実戦マウンド復帰後、9回完封はこれが初めて。球数わずか96球のマウンドに、上甲正典監督(67)も「内容は一番よかった。気持ちが乗ってきた」とエースの復活を確信していた。

 6日は明徳義塾戦に登板予定で、練習試合は残り計3試合を予定している。15日の愛媛大会初戦・三島戦に向け「みんなを甲子園に連れて行くことだけ考えている」と安楽。157キロ右腕の目に、不安の色はもう見えない。

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