バレ59号も…三冠どころか二冠もヤバい
「ヤクルト3‐6DeNA」(30日、神宮)
ゲームセットの瞬間、ヤクルトのバレンティンは誰よりも早くベンチを飛び出すと、無言のまま一塁側ファウルゾーンを引き揚げた。三回にプロ野球シーズン最多本塁打記録を更新する59号ソロを放ったが、3冠王へ打点部門で猛追するDeNA・ブランコとの“直接対決”で、6差に広げられた。射程圏内にとらえた偉業が、一気に遠のいた。
久々に見せた会心の笑顔もつかの間だった。9月18日のDeNA戦(横浜スタジアム)以来、10試合ぶりとなるアーチを放った上、この時点で打点はトップのブランコに1差だった。球団広報を通じて「完璧です」とコメントした。
しかし上機嫌だったのはつかの間だった。五回、ライバルの逆転3ランが、自らの頭上を越えて左翼席へ飛び込んだ。さらに七回にも2ラン。6打点差に広がった。1本目は苦笑いで打球を見送ったバレ砲だったが、2本目の後は腕組みし、険しい表情を浮かべた。試合後は、これまでほとんどなかった“取材拒否”。いら立ちが見て取れた。
2本塁打を浴び計5打点を献上した村中は「バレンティンに申し訳ない」とうなだれた。小川監督は、「バレンティンのためだけにやっているわけじゃないが、勝つためには抑えてもらわないと」と渋い表情だった。
残りは6試合。遠のく三冠王に、指揮官は「一気に開いてしまったけど、可能性は残っているから頑張ってほしい」と祈るように話した。
