中畑監督の仁美夫人死去…夏から闘病

 DeNA・中畑清監督(58)の妻、仁美さんが5日18時5分、子宮頸(けい)がんのため都内の病院で死去した。59歳だった。通夜、告別式は未定。仁美さんは2月に体調を崩し、良性の腫瘍との診断を受けたが、3月上旬にがんであることが発覚。夏に告知を受け、闘病生活を送っていた。

 病状悪化した11月、中畑監督は奄美大島キャンプから緊急帰京した。選手に「家族の状況が切迫している」と打ち明けた。11月20日の、娘の結婚披露宴出席のため一時退院した仁美さんは、その直後に救急搬送された。中畑監督はオフの行事をほとんどキャンセルし、泊まり込みで付き添った。「年内は難しいと言われている。できる限りのことをしてやりたい」と明かしていた。

 出会いは中畑監督が駒大4年時の75年だった。合宿所近くでアルバイトしていた仁美さんに一目ぼれ。プロ1年目の76年オフに結婚。以来、36年間連れ添ってきた。78年の日米野球第1戦。コンタクトレンズをなくした夫に、妻はタクシーで新品のレンズを届けた。その試合で2ラン。翌79年の1軍定着のきっかけを作ったのも夫人だった。

 行くと負けるからと、球場で観戦しなかった。現役最後の試合となった89年の近鉄との日本シリーズ第7戦(藤井寺)を、初めて観戦した。監督に就任した今季も、スタンスは一緒だった。

 来年2月には2人にとっての孫が誕生する。中畑監督は「生まれ変わりだと思う」と親しい人に漏らしていた。

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