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4年目・川端海翼 “冬コク”からさらなる飛躍へ 単勝回収率驚異の189% 同期に負けじと騎乗技術磨く

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 25年の中央競馬も2週を消化。金杯デー、3日間開催と世話しない日々が流れているが、25日からは小倉競馬も始まり、難解な予想に頭を悩ませる日々が待っている。そんな私に味方してくれそうなのが、川端海翼騎手(21)=栗東・フリー。昨年の“冬コク”では自身の通算を大きく上回る勝率8・8%、複勝率23・5%をマークし、単勝回収率は驚異の189%だった。穴党は要チェックの若手ジョッキーだ。

 競馬学校38期生としてデビューした4年目の若武者。1年目の22年は中央でわずか1勝に終わるも、23年は5勝、そして24年は10勝。少しずつではあるが、確かな上昇カーブを描いている。「特に大きく変えたことはないんですが、普段から調教に乗って、厩舎の方とコミュニケーションを取っていますね。今はいろんな厩舎に顔を出すようにしています」。トレセンでは朝早くから東奔西走。一日4~6頭の調教を手伝い、さまざまな厩舎との信頼関係を強固にしている。

 同期は今村聖奈や佐々木大輔、故・角田大河さんら。周りは早くから活躍するなかで、初勝利はデビューから半年後の9月8日。園田でのヤングジョッキーシリーズTR第2戦だった。「悔しかったですが、差があり過ぎて…。応援という気持ちが強かったです」。当初は気後れしていたが「やれることをやるしかない」と一鞍一鞍大切に騎乗。「大河には聞きやすかったですね」と積極的に教えを乞うこともあったという。そして、少しずつ結果となって表れたのが昨年。「今はもう、同期はライバルです。負けてられないな、と」。追いつけ追い越せで騎乗技術を磨いている。

 2年前の夏にも、浮上するきっかけの一つがあった。「おととし初めて函館に行ったんですが、結果が出ずに1週間で帰ってきてしまいました」。一度は折れかけたが、その代わりにトレセン近郊の牧場に顔を出すように。厩舎だけではなく、牧場とも関係を築き、乗り鞍増加につなげた。昨年は函館から札幌と北海道シリーズにフル参戦。「美浦の方にも依頼をいただくようになりました」。23年には4鞍だった関東馬への騎乗が、昨年は65鞍に急増。勝ち星だけでなく、ジョッキーにとって大事な乗り鞍数も着実に増えているのが信頼の証しだ。

 今年の目標を聞くと、「最低20勝。いや、30勝したいです」と力強く宣言。「今年も夏は北海道に行く予定ですが、その前に土台を固めて行きたいです。去年は小倉でグッと伸びましたが、落馬してしまった。あれが痛かったので…。でも、乗せていただいていることに感謝です。結果を出さないと。気合を入れて追うので、気持ちだけでも伝えられれば」。熱い思いを胸に、今年はさらなる飛躍の一年にしてみせる。(デイリースポーツ・山本裕貴)

 ◆川端海翼(かわばた・かいと)2003年9月18日生まれ、21歳。大阪府出身で北海道育ち。162.5センチ、46.4キロ。父や祖父の影響で競馬に興味を持ち、小学6年時に乗馬を始め、中学卒業後に競馬学校入学。22年3月に栗東・浜田多実雄厩舎からデビューし、同年9月8日の園田10Rで初勝利。23年5月に浜田厩舎を離れてフリーに。血液型B。趣味はテレビゲーム。JRA通算16勝(14日現在)。

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